仕事を辞める時に2年はお金に困らない3つの方法

発達・ギフテッド

ブラック労働、ワーキングプア、〇〇ハラスメントなど、現代社会には労働に関する問題がたくさんあるよね。劣悪な環境で耐え忍んで働き続けると、心身が壊れるのは当たり前。

心身を壊すと、何十年というスパンで寛解に時間がかかるケースも。そして、完全には元に戻らない。(心身の仕組み上)

かくいう僕も、過去に心身を壊して何度か辞職した経験がある。現実的な問題として、仕事を辞める時にはお金の不安が大きかった。頼れる家族や友人が居ない人はもっと不安が大きいんじゃないかな。

ギリギリまで我慢して頑張るクセのある人は尚更。(かつての僕のように)限界近くなると、計画を立てる余裕もなくなっちゃうし。限界が来る前に日頃からちゃんと考えよう。

いろんなお金の公共制度を知ろう。制度を上手に使えるようにしておこう。

今回はそんなお得な制度を3つ紹介するよ。

3つのお得な制度を上手に使おう

仕事を辞めるかどうか迷った時に、知っておくとお得な以下の3つの制度。

  1. 労災保険
  2. 失業保険
  3. 傷病手当

これら3つの制度でお金を、

  • もらう条件
  • もらえる金額
  • もらえる期間
  • もらう方法

を説明していくよ。

制度を使う順番によっても損得が変わる。

一番おトクな順番なら2年はゆっくり休養できるからじっくり読んでね。

大切な前提 「診断書」は無敵の手札

いま、会社員をしてる人で、特に病気やケガではないけど、

しんどいなー」と思ってる人。

今すぐ精神科・心療内科へとりあえず行って。

仕事を辞めようが辞めまいが、どんな時でも、医師の診断書は無敵の手札ということをしっかり覚えておこう。

どれくらい無敵かと言うと、周りが完全に敵だらけの環境でも全員を秒で黙らせるくらいの力があるよ。

企業だって行政だって、結局はスベテが法律の下で動いてる。

どれだけ感情で訴えても理解されない生きづらい状況は変わらない。

法律は知ってる者の味方である

という言葉を聞いたことないかな。

お医者さんが書く診断書というのは、法律上、最高レベルのパワーを持ってる。

どんな時でも、診断書をもらえる状態にしておくのが、このカオスな社会で雇われて仕事する上で一番のライフハック。

ちょっとでもしんどかったりケガしたりしたら、すぐ病院行こう。

早めに初診日をカルテに残すことが法律的に一番重要だから

しっかり念頭に置いておこう。

次から3つの制度について説明するよ。

労災補償

仕事を辞める前に検討してほしいのがこの労災補償。

労災には主に5つある。

①遺族補償給付
②介護補償給付
③障害補償給付
④療養補償給付
⑤休業補償給付

ここでは④と⑤を紹介する。

正社員はもちろん、パートでもバイトでも対象。

しっかり覚えていってね。

療養補償 病院代+お薬代が無料

仕事中や通勤中にケガや病気になった時、治療費が無料になる。

具体的には、費用請求と給付請求、2種類ある。

給付請求・・・
かかる病院が指定医療機関の時。

費用請求・・・
かかる病院が指定医療機関じゃない時。

ただこれだけの違いだけど、請求書の種類が変わってくるから気をつけよう。

詳しくは厚生労働省のパンフレットを読んでみてね。

療養補償の手続き方法

・指定医療機関の場合の手続き

療養の給付請求書の証明欄を医療機関に書いてもらい、労働基準監督署に提出する。

【仕事中のケガや病気の場合】

【通勤中のケガや病気の場合】


・指定医療機関じゃない場合の手続き

療養の費用請求書の証明欄を医療機関に書いてもらい、労働基準監督署に提出する。

【仕事中のケガや病気の場合】

【通勤中のケガや病気の場合】

休業補償 お給料を補償してもらえる

仕事中や通勤中にケガや病気になって休職する時、お給料を補償してもらえる。

俗に言う休職手当とは違うので注意。

詳しくは厚生労働省のパンフレットを読んでみてね。

休業補償でもらえる金額

だいたい給与の80%。(補償+支援金)

所得税の対象外。

休業補償をもらう方法

労働基準監督署に各請求書を提出する。

仕事中に病気やケガをした場合

休業補償給付支給請求書 複数事業労働者休業給付支給請求書 業務災害用・複数業務要因災害用

下記の記入例を元に↑を書いて労働基準監督署に提出。

表面
裏面
別紙1 表面
別紙1 裏面

通勤中に病気やケガをした場合

休業給付支給請求書 通勤災害用

休業補償をもらう条件

仕事中、または仕事に関する業務中において病気やケガを負った場合にもらえる。

  • 通勤中
  • 出張中
  • 過重労働
  • ○○ハラスメント

などで心身を壊した場合が対象。

医師に診断書を書いてもらえたらスムーズに申請できる。

しんどい原因が時間外労働や○○ハラスメントだった場合は、証拠が必要になるケースもある。

「仕事が忙しくて職場がきつくてしんどくて眠れない」

といった感じに医師に言えば、たいていは診断書を書いてもらえる。

時間外労働の証拠になるもの

  • タイムカード
  • 出勤と退勤の日時がわかるもの
    • 職場のテレビ番組の写真
    • 職場の時計の写真
    • 位置情報のスクリーンショット
  • 従業員ら複数の証言

など。

最近のスマホで撮影した写真なら、大体は撮影日時がデータで記録されてる。

iOS 15以上にアップデートされたiPhoneで撮った写真なら「Exif(イグジフ)情報」が自動で付加される。

Exif情報は、写真のサイズやカメラのレンズ、露出などの情報が網羅されたデータ。日時もバッチリ記録される。

○○ハラスメントの証拠になるもの

  • スマホのボイスメモ
  • ICレコーダーの録音
  • 目撃証言

オススメはICレコーダー。連続で100時間以上の連続録音ができる。スマホのボイスメモでも長時間録音できるんだけど、着信があると録音ストップしちゃうから。

労働者に過重労働させたり○○ハラスメントを繰り返すのは立派な違法。戦うためには武器を持とう。

もらえる期間

休業4日目から1年半。

それを超えた時点で、傷病等級に当てはまる障害があると、次の傷病補償年金が上乗せでもらえる。

傷病補償年金 傷病障害が残るともらえるお金

傷病等級3級の場合の具体例

・算定基礎日額(被災日以前の1年間のボーナスが100万の場合)
1.000.000 / 365 = 2,740円

・給付基礎日額(休業する前の3ヶ月の給与が150万の場合)
1,500,000 / 90 =16,666円

・給付基礎年額(給付基礎日額*365)
16666 * 365 = 6,083,090円

・算定基礎年額
給付基礎年額の20%が限度額。150万以上の時は150万が限度額。
1000000 < 6083090*0.2=1216618

給付額 16666*245=4,083,170円
傷病特別支給金 1,000,000円
傷病特別年金 671,300円
合計支給額 4083170 + 1000000 + 671300 = 5,754,470円

傷病補償年金をもらう方法

療養開始後、1年半経っても傷病が治ってない時、1ヶ月以内「傷病の状態などに関する届」を労働基準監督署に提出しなければいけない。

支給要件を満たしていない場合は、休業補償給付の請求と併せて、「傷病の状態等に関する報告書」を提出しないといけない。

失業保険 基本手当

失業中にもらえる給付金。

年齢や被保険期間によって受給期間が変わるよ。

詳しくはハローワークのWebサイトを見てみてね。

もらえる金額

1日あたりの金額を「基本手当日額」と言う。

離職日の直近6ヶ月の、
賞与以外の賃金を180で割った額の45~80%

賃金の低い方ほど高率。

ただし上限額があり。
※以下参照

もらう方法

在職中に「雇用保険被保険者証」の有無の確認をしておく。

以下の一式をハローワークに持参する。

雇用保険被保険者離職票
※会社からもらう
記入例:雇用保険被保険者離職票-1[PDF:242KB]
記入例:雇用保険被保険者離職票-2[PDF:830KB]

・個人番号確認書類
※下のいずれか1種類
1.マイナンバーカード
2.通知カード
3.個人番号の記載のある住民票(住民票記載事項証明書)

・身元(実在)確認書類
※(1)のいずれか1種類がない場合、(2)のいずれか2種類(コピー不可)

(1)
運転免許証
運転経歴証明書
官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)

(2)
公的医療保険の被保険者証
児童扶養手当証書など

・写真(最近の写真、正面上三分身、縦3.0cm×横2.4cm)2枚

・本人名義の預金通帳又はキャッシュカード
※一部指定できない金融機関があり。ゆうちょ銀行は可能。

もらう条件

・「就職の意思があり能力もあるが失業の状態」にあること

・4週間に1度、失業認定を受ける。
指定された日にハローワークに行き、「失業認定申告書」を記入し、「雇用保険受給者資格証」と併せて提出する。

記入例:失業認定申告書[PDF:333KB]
記入例:雇用保険受給資格者証[PDF:129KB]

以下の場合は給付を受けることができない。

・病気・ケガ・妊娠・出産・育児ですぐに就職できない

・定年後、休養しようと思っているとき

・結婚などにより家事に専念し、すぐに就職できない

もらえる期間

自己都合と会社都合

自己都合で退職すると、受給開始が退職から2~3ヶ月後になる。

会社都合で退職すると、すぐ受給できる。

自己都合でも早くもらえる方法

病気やケガを理由に退職したことにして、失業保険を申請する時には治ってる(就労可能)とすればいい。

会社都合にする方法

倒産や解雇以外で会社都合にすることもできる。

過重労働や○○ハラスメントによる退職であれば、会社都合にできる。

会社の違法性を証明する必要があるから、メンタルの強さと行動力が必要……。

傷病手当

仕事以外の理由で病気やケガをした時に支給される手当て。

職場に席を置いたまま無給で休むこともできるし、完全に辞職してももらい続けられるから良い。

全国健康保険協会のウェブサイトでわかりやすく詳しく見られる。

もらえる金額

傷病手当を受ける前の12ヶ月間の給与+賞与を、12で割って、2/3を掛けた額。

ざっと毎月給与の6割もらえると踏んでおけば、それ以下になることはない。

もらえる期間

最長18ヶ月。

もらう方法

以下の「もらう条件」をクリアした状態で、全国健康保険協会の所定の申請書を書く。

健康保険傷病手当金支給申請書 記入の手引きを見ながら。

申請書内の事業所証明欄を、働いてる事業所に書いてもらう。

もらう条件

傷病手当金をもらう条件は以下4つ。

① 仕事以外の理由で病気やケガをして、働けなくなり休む
② 仕事に就けない
③ 3日間連続で休み、且つ4日以上仕事に就けなかった
④ 休んでいた間の給与の支払いがないこと

注意点

退職後も傷病手当金はもらい続けられる。

1年以上の被保険者期間があることを前提に、退職日に絶対出勤しなければ、資格喪失後ももらい続けられる。

出勤するな~したら損するぞ~

制度は「使う順番」が命

仕事を辞める前から考えて、使う制度は順番を間違えないようにしないと損したり、手続きがややこしくなる。

①労災で休職

②傷病手当金で欠勤~退職~療養

③失業保険

この順番で使えば、最低でも2年半くらいはまとまったお金を引っ張りながらゆっくりできる。

うつで労災認定で休職して、復職して、またすぐ休職に突入するなんて神業をやってのける人もいるし、できるならそれが一番。

ただ、しがらみもあるから、傷病手当金に切り替えて退職に進むほうが角は立たないかなと。

ちなみに有給休暇を使い切るのも忘れずに。

まとめ

労災保険・失業保険・傷病手当金について解説してみた。

アメリカの生涯転職回数は平均10回とからしい。

本当はどこで働くとかもっと自由にラフに考えてもいい時代。

ストレスの多い職場でずっと自分を道具化され続けなくても、日本でならいくらでも生きてく術はあるということを少しでも知ってもらえたなら幸い。

経済って、ただの数字ゲームだから。

ゲームに命かけて死ぬバカいないでしょ。

最大限のポテンシャルを発揮できたほうがいい成果出るに決まってるでしょ。

労働はつらく苦しいものではなく、価値を交換して喜び合えること。

そうじゃないと長続きもしないし社会が沈んでいくのも当たり前。

だから疲れたら休む。ブラックからは離れる。

お金は引っ張れるとこから引っ張る。

賢く楽しくハッピーに生きよ~。

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