体の痛みや心のストレスに、気付きにくいタイプの人が居る。
ケガしたり病気になったり、イヤなことがあったりしても、
こんなもんでしょ!
と、まるで他人事のように気にも留めず、対策もせず平常運転で生きちゃう人。
発達障害者に多い。
決して我慢強いんじゃなく、本当にしんどさやつらさに気付けない人。
でも、人間は、痛みやストレスに気付かないと、非常にキケン⚠️
痛みやストレスは、体からのSOSだから。
SOSに早く気付かないと、いざ気付いた時には手遅れになる可能性がある。
ハッキリ言うと、死ぬ。
自分で気付けないということは、人にも気付かれにくい。
それが、輪をかけて手遅れに拍車をかける。
もっと言うと、自分の心身の異常に気付かないってことは、人のしんどさにも気付かなかったりする。
つまり、鈍感さに巻き込まれて本人以外の人が大変なことになるケースも。
心身の異常には早く気付いた方がいい。
そのためには、「現象」を注意深く見るクセをつけるといいよ。
つまり、人間観察。
他者だけじゃなく、自分自身も客観的に観察しよう、ということ。
自分を観察して、自分の心身の状態を判断する。
ここまでだけ聞いてもよくわからないと思うから、掘り下げて説明していく。
まずは、僕が実際に知ってる鈍感な人たちの「手遅れエピソード」を話すよ。
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鈍感な人たちの手遅れエピソード
鈍感すぎて足を切断した祖父
僕にはかつて漁師だった祖父が居た。
名前は、さきちさん。
若い頃、遠洋漁業の漁師さんだったらしい。
一度船を出すと何ヶ月も帰ってこなかったそうな。
その船に乗ってる時に、足をちょっとだけケガしたそう。
でも、大したことないからと船を降りずに、漁を続けた。
結果、化膿して腐って、切断する羽目になった。
……いや、絶対痛かったやん、じいちゃん。
それは我慢とかいうレベルじゃないやん、じいちゃん。
半世紀以上も前だから、遠洋漁業の船上は不衛生やったと思う。
軽傷でも甘く見ず、念には念を入れて早急に治療すべきやった。
年齢的には僕の曽祖父くらいだったから、戦争経験者でもあった。
戦場で無事だったのに、船上で足を失くした。
そんなもったいない話ある?
戦争の方が五体満足で帰ってこれる可能性低い気がするねんけど。
───余談として、幼少期、義足のじいちゃんと散歩する時は、いつもペースを合わせてた。
子どもながら気を使ってた。
そのことを、じいちゃんが気にしてないかを、僕は気にして、申し訳なかった。
鈍感すぎて闇金に2000万借りて早死した祖父
起業して失敗してを繰り返しながら借金を重ねてた祖父。
名前は、よしひろさん。
膨れ上がった借金は2000万円。
昔の話だから、闇金のイメージ通り「怖い人」にずっと追いかけ回されたそうな。
そんな日々の中で脳梗塞にかかり、還暦を迎える前に亡くなった。
波乱万丈の人生!てゆーてる場合か。
事業売上の見通しも立たずに怖い人らにお金を借りまくっても、
大丈夫でしょ
という異常な鈍感ぶりを発揮して家族にも苦労をかけて早死。
死ぬ直前も、
だいじょぶだいじょぶ!
と言って死んだらしい。
・・・・・・何が大丈夫?
そしてオチは、相続放棄で借金チャラって、手遅れにもほどがあるよ、よっちゃん。
鈍感すぎて19歳で余命宣告された友人
僕には、ソウルメイトと言える友人が数人いる。
ありがたい。
そのうちの一人、ADHDのしょうへいさんも、鈍感手遅れエピソードの持ち主。
しょうへいさんはかつて、超絶太ってた。
本人曰く、150kg近くあったそうな。(!?)
もうこの時点で誰が聞いても「そらあかん」と思うやん。
でも当時の彼はお構いなし。
家庭や仕事でのストレスにも気付かず、対策せず、暴飲暴食を繰り返す日々。
そして19歳で脂肪肝を発症し、余命1年宣告を受ける。
そこからしょうへいさんは心機一転、生活習慣や生き方を見直すのです。
努力に努力を重ね、50kg以上減量し、10年以上経った今でもご存命です。
だがしかし、大人になっても鈍感さはなかなか変わらず。
自転車でこけて肩を壊すも、なぜか重いものを持つ仕事をし、肩に後遺症を残すほど追い打ちをかける不可解さ。
パートナーにDVされても気づかず尽くし続け、ストレスで心筋梗塞を発症し倒れるも、仕事をやめずに休まずに続ける不可解さ。
鈍感というのは恐ろしい。
でも僕はしょうへいさんには感謝してることがある。
150kg時の彼と親しかったこともあり、多少のふくよかな人を見ても、
あら健康的やん!
と思うようになった。
鈍感すぎてうつ病になった人たち
このブログを運営してると、時々メッセージを頂く。
発達障害とアレルギーに関することを発信してる都合上、そこから派生して精神疾患や人格障害を持ってる人からもメッセージをもらう。
もう少し自分の幸せを考えて生きてきたら良かったと気付いたがもう死にたい
いつか幸せになれると思って人のことばかり考えて生きてきたがしんどくて死にたい
パートナーや家族に虐げられてうつ病になったけど数十年我慢して一緒に居続けた
発達障害の人と生活してカサンドラぽくなって日々しんどい
などなど。
いや、チョット待って、と。
自分の幸せを考えられてない一番最初の段階であなたは病んでるよ、と。
それでも苦難や苦労や苦悩にずーっと耐え続けるってことは、2E・ギフテッドの可能性大。
▶犯罪(性)被害に遭う確率3倍!?自殺率2倍!?発達障害・2E・ギフテッドが自分の身を守るコツ3選
せっかくの利他や慈悲の能力を、心無い人達に浪費されて、とてももったいない。
人を助けるのも、人に優しくするのも、自分の心と体と時間とお金に余裕があってこそ。
ヒトは生まれながらに、苦しいことはイヤだし、嬉しい楽しいといった「悦を求める構造」になってる。
それに反した生き方をしたら誰だってぶっ壊れるし、心も体もバグるし、病んで死にたくなるよ。
ひいてはそれは国益を損なってるってことでもあるんだよ。
───なんて偉そうに言ってるけど、かくいう僕も同じ鈍感側、根性と忍耐側の人間でした…。
鈍感すぎて倒れて28歳でドロップアウトした筆者
私事で恐縮だけど、「鈍感な人は手遅れになる」なんてテーマで記事を書いてる僕自身、鈍感すぎて心身を壊した側の人間。
たとえば、
・・・・・・鈍感エピソードを挙げだすとキリがないけど、本当に、体も心も今思えば、
「コイツ・・・正気か??」
と自分で呆れてしまうくらい、鈍感具合がひどかった。
大丈夫、大丈夫!
が口癖でした。
ただここで強調したいのは、自閉スペクトラム症の臨床研究に参加した時の検査では、僕自身は平均の4倍以上もストレスに敏感だったということ。
実際は心身の痛みやしんどさを感じてるはずなのに、自分で認識できていないタイプの鈍感もあるということを知った瞬間だった。
そして上で挙げた一連の私事は、不幸自慢というよりむしろ、自分が鈍感ということは、人に対しても鈍感で薄情な行動を取るってところに着目してほしい。
自分自身はもちろん、家族や恋人や友人が、どんなに大変な状況になってたとしてもドライに対応し、インスタントな体裁を優先した。
キチガイじみた精神力も長けてる部分の能力も、事もあろうに心底どうでもいいことのために使ってたということ。
果てに、障害年金を受けるレベルまで心身を壊して、28歳でドロップアウトせざるを得なくなった。
これを読んでる人は、反面教師にでもしてもろて。
手遅れにならないために、ちゃんと「現象」を見たほうがいい。
ちゃんと「現象」を見て、自分を省みて、知識を増やして「人間のグッドな状態」を理解して、それを目指すようにしてみてほしい。
そして、なるべく人生からしんどさを減らして、共にハッピーを増やす生き方をしよう。
手遅れになる前に現象を見よう
ざっと紹介したエピソード以外にも、数え切れないくらい色んな人の「鈍感エピソード」を知ってる。
全部紹介すると1冊本が書けてしまうから割愛する。
ただ、彼ら彼女ら&過去の僕に共通するたった1つの「手遅れになった理由」があることを知ってほしい。
それは、現象を見なさすぎ。
鈍感なこと自体は、感覚の問題だから仕方ないにしても、現象を無視しすぎ。
自分と人の状態や状況、環境、考え、感情の種類や度合いなど、実際に起こってる現象を見なさすぎ。
現象を見ないから、
- 正常な状態やベターを察知できない
- 自分を把握できない。
そのまま生きるから、取り返しがつかなくなる。
手遅れになる。
そうならないためにも、現象って大切。
人生にハッピーを増やすには、現象を見たほうがいい。
具体的にどういう現象かを見ていこう。
心・体・時間・お金 4つの現象
ここからは実際にどういう現象を見ればいいか、具体的に話していく。
具体的には次の通り。
4つのリソースに起こってる現象
この1点さえ見るようにしておくと、どんなに鈍感でも手遅れになることはない。
4つのリソースというのは人的資源のこと。
▶あなたが持つ3つの価値~人的資源・人的資本・人的資産
要は、人的資源を大切にする意識を常に持っておく。
すると、自分がいかに鈍感でも「取り返しがつかない」なんてことはなくなる。
4つのリソースの増減
- 心
- 体
- 時
- 金
これらがどれだけ増えたか減ったか、どれだけ理想&正常な状態と異なってるかを見る。
リソース増減の具体例
心リソース
- ハッピーの量
- モヤモヤの量
- 喉の下あたりが締め付けられるストレス
体リソース
- 正常な機能を果たしてるか
- ケガや病気の症状がどれくらいか
時リソース
- 偏った時間の使い方をしていないか
- やらなくていいことをしていないか
金リソース
- 損な使い方をしていないか
リソースというのは有限の価値。枯渇したら幸せに生きられない。
リソースが潤沢にあればこそ、自分と人を幸せにできる可能性が高くなる。
リソースに余裕があるからこそ、焦らず穏やかに過ごせる。
この指標を価値観の根本に据えることで、スベテがうまく回りだす。
現象1 体
身体感覚が鈍感な人は、ケガや病気でも症状に気付きにくい。
なのに自分の身体感覚を過信して、身体感覚に頼ってることが間違い。
だからシンプルに、体に起こってる現象を見て判断することが肝心。
などの事実を直視する。
もう、何かしらの症状が少しでもある時点ですでに「危険な状態」と知る。
たとえそれが指の小さな切り傷であったとしても。
そして、外科的治療で治せるものはさっさと治す。
食生活と運動で元に戻せる不健康はさっさと戻す。
なぜなら、自分のポテンシャルを最大限に発揮するにはそれだけが最適解だから。
この社会には、自分の力で生きてる気になってる人が多い印象だけど、自分の力で生きてると思ってる人ほど生活習慣乱れてたりする。
自分の体を「自分で健康に保とうとする意志」が、精神的自立の1つだからね。
健康ではない状態=自分の能力を最大限発揮できない状態。これは100%
それで「大丈夫」と言うのはエゴ、という話。
病気でもケガでも頑張る人がえらい、なんて大嘘な常識に惑わされちゃいけない。
現象2 心
体の現象でも説明したことと同じで、心の現象にも視線を向ける。
心そのものは目に見えないけど、心は必ず振る舞いに出る。
これはスピリチュアルじゃなく、科学の話。
振る舞いを観察すれば、心の現象がわかる。
・・・・・・などなど。
人間の心は行動に出る。
こういった現象を、自分で客観的に意識して見るようにする。
上に挙げた現象がなぜキケンかと言うと、心が自己犠牲と自己卑下で覆われてるから。
詳しくは下の記事で説明してる。
▶自己価値感・自尊心が低い人がテイカー(奪う人)になる7つの段階
原因はたいていの場合、休息と愛情の不足。
兆候が見えた段階で、迅速に休息と愛情の補給を。
そうすれば、鈍感でも手遅れになることはない。
上のリストアップした「キケン」は、全部、みくびると痛い目に遭う。
言わば、心の猛毒。
早く解毒しないと、月日が経つごとに取り返しはつかなくなってく。
休息が数ヶ月~数年かかってもいい。
誰からの愛情でもいい。
現象から、目を離さずに、自分の心をキャッチアップしてこう。
現象3 時間
時間の現象に目を向けることも大切。
具体的には、タイムスケジュール。
24時間のうち、何にどれくらいの時間を費やしてるか。
特に過集中のある発達さんにとって大切な現象。
前述した通り、何事も、自分の感覚をアテにしないほうがいい。
何事もバランスが大切。
配分が偏らないように、調節する。
注意点として、脳内のリソースを割く時間もちゃんとカウントしよう。
- 自分
- 家族
- パートナー
- 友人
- 仲間
- 上司部下先輩後輩etc
誰について何時間、考えてるか。
実際に物理的に人に関わってなくても、脳内で人のことを考えるだけで貴重なリソースは割いてる。
これも、偏ると非常にキケン。
自分にとって大切じゃない人や、自分を大切にしてくれない人のことを考える時間は、完全なリソースのムダ使い。
そういった現象に、常々意識を向ける習慣をつけると、手遅れにならずに済む。
現象4 お金
お金の現象に目を向けるのも大切。
基本は至ってシンプル。
収入 > 支出
この状態を維持できてるかどうか。
稼いでる金額の大小が問題なんじゃない。
支出額が収入額を超えてしまうことが問題。
たとえば年収1000万円の人でも、支出が1100万円なら、マイナス100万円。
年収400万円の人でも、支出が300万円なら、プラス100万円。
事業をしてて将来売上の見込みがあって融資を受けるならいい。
個人がなんの見通しも立たない状態でマイナスになるのは、鈍感すぎる。
もし支出額が収入額を超える現象が起きてる場合、キケン。
お金のリテラシーがないから、知らないうちにカモになってる。
損をしてる。騙されてる。
購買欲を煽られて不必要な商品やサービスを買わされてることに気付いてない。
自分でお金を使った気にさせられる典型例。
自分の感覚をアテにせず、「数字」という明確な現象を見よう。
まとめ
・鈍感な人は手遅れになりやすい
・周囲にも特大の火の粉が降りかかる
・手遅れにならないように「現象」を見よう
・心、体、時間、お金という4つのリソースの現象を基準にしよう
・心は振る舞いを見て、自己犠牲や自己卑下があれば休息と愛情を注ごう
・体はケガと症状があると確実にポテンシャルが下がるから、最優先で治そう
・時間は自分自身と大切な人、自分を大切にしてくれる人に使おう(脳内で考える時間も含む)
・お金は支出額が収入額を超えてしまってる場合はキケンだから見直そう
以上、新しい価値に気付いてもらえたら幸い。
あなた自身と周りの人の人生から、しんどさを減らして、ハッピーを増やそう。
それではバイバイ。