悩美ってめっちゃ仕事できるからすごいよな


えぇ~~こんなん誰でもできるで~~
苦郎にはいつも助けられてるわ、ありがとう


いやいや僕なんか全然まだまだやで
……君ら、全然自分のこと認められへんねんな~。インポスター症候群やからヤバいで


ナニソレ?
いい関係性やいい機会やお金がどんどん離れていく心のクセや。ヤバいで


え?私はただ謙遜してるだけやねんけど

僕も向上心を持ってるだけやで
それ、地に足ついてないねん。「今」が全然見えてないのよ


どゆこと?
もう1回、上から読み返してみ。


・・・うーん、読み返しても謙遜と成長意欲に思えるけどなぁ
キミらは今の自分を否定してるつもりかもしれんけど、同時に目の前にいる相手の気持ちも否定してるねん


いや、そんなつもりは全然ないよ~
つもりとかじゃなくて現象として起こってるねん

さっきも言ったけど、いい関係性やいい機会やお金がどんどん離れていくで


それはイヤや・・・どうしたらいいん?
一生しんどい!インポスター症候群
インポスター症候群っていうのは、今の自分が幸せになることを認められない心。
インポスターは、詐欺師という意味。
自分は人を騙してるんじゃないか、もらった評価に値しない人間なんじゃないかという不安や疑いを慢性的に抱いてる心理状態(or 潜在意識)のこと。
感謝、称賛、愛情、ねぎらい、お金、これらをぜんっぜん受け取れない心理。
受け取らないだけならまだしも、ひどいと否定したり拒絶したりする。かなりヤバい心理状態やねん。
しかも自分が苦労した分、自己正当化が起こって人に苦労を強いる無意識のテイカーになりがち。
頑張っても頑張っても自分が掲げた目標に至らなかったら、学習性無力感になって、燃え尽き症候群に陥る可能性も高い。
早いこと克服しやな、一生しんどいで。
インポスター症候群の原因3つ
原因1 機能不全家庭
親からの接し方が過干渉と放任のどちらかに偏ってたり、DVがあったりと機能不全家庭だった場合、自己受容ができなくなりやすい。
ありのままの自分をありのまま受け容れること
参考論文▶親の過干渉、過期待の病理───名古屋女子大学 伊藤 太郎
両親や兄弟姉妹の中で自分の学歴が一番高かったり、一番稼いでるとインポスター症候群になりやすい。
原因2 セルフスティグマ
機能不全家庭からの流れで、セルフスティグマってのを持ちやすい。
自分自身への差別・偏見
自己批判や自己卑下がデフォルトになってるってこと。
自分なんてダメ、自分なんてまだまだ、ってやつな。
原因3 比較と競争の沼
セルフスティグマがあると、過酷な環境に身を置きやすいねん。
自分自身の価値を低く見積もってるから、自分を犠牲にして人に尽くしすぎたり、やたらめったら頑張りすぎてしまうから。
周りにダメダメな人(テイカー)がたくさん居ても尽くしてしまうから、心・体・時間・お金を搾取されてしまう。
周りにすごい人達がたくさん居ると、自分がちっぽけに思えて頑張りすぎて、心・体・時間・お金を浪費してしまう。
ほんま、どうしようもないで。
インポスター症候群の対策3つ
対策1 見上げるのも見下すのもやめる
「自分なんてまだまだ」と思うインポスター症候群の特有の気持ちが、向上心や謙遜、あきらめや卑屈、どちらから生じてるものであったとしても、共通点としては上ばかり見すぎ。
上には上がいて、下には下が山ほどいる。
上しか見ないのって不平等。アンバランス。視点が偏りすぎ。
どうせ比較するならまんべんなく、上も下も見るようにしよう。
自分を成長させるために上を見るのは有効だけど、人に価値を提供する(=人を愛する、お金を稼ぐ)ことにおいては、どれだけ下を見れるかの能力が必要不可欠。これを『マーケティング能力』と言う。
人に価値を提供するって❓
- 人ができないことを代わりにする
- 人ができないことをできるようになるサポートをする
- 人が知らないことを教える
もっとカンタンに言うと、困ってる人を助けたり、疲れてる人を元気にしたり、退屈そうな人を楽しませたり、悲しんでる人を喜ばせたり、不便を感じてる人に便利を与えること。
上ばかり見てたら、価値提供できる対象が視界に入らなくなってしまう。
下もちゃんと見よう。
強き者は弱き者のために、持つ者は持たざる者のために

弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です。責任を持って果たさなければならない使命なのです。決して忘れることなきように。
画像は、『鬼滅の刃』というアニメの煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)というキャラのお母さん。
▶アニメ 鬼滅の刃 無限列車編 第7話 6分28秒~ (Prime Video)
人より強い体と心で産まれた杏寿郎への教えの言葉。
「自分の能力や、成し遂げる目的は、何のためなのか」を考える必要がある。
成果や成功、幸せ、愛情、肯定、称賛を、自分の歪んだ価値尺度で値踏みして、自己犠牲をしながら高みばかりを追い求めるなら、鬼滅の刃の猗窩座(=アカザ:強さだけを追い求めて鬼になったヤツ)と同じ。

鬼は人間を喰わないと生きられない。「人間を恨んで鬼になったはずなのに結局は人間に生かされてる」という、マヌケな自己矛盾で苦しむ。
現実においては、人間は誰でも、ありのままの自分を愛してくれる人は居るし、ありのままでもたくさんの人に価値を与えられる───ここに気づけるかどうか。
「六次の隔たり」と言って、「すべての存在が繋がって自分が生かされ続けて与えられ続けてる」という真実が見えないから、自意識過剰になって自分の価値にも気づかず、現状の自分を許せず愛せなくなって、しんどくなって───の負のループ。
ヒューマンリソースを一番に大切にしよう。
国ガチャ全員成功
- 五体満足
- 健康
- 最低限の教育を受けてる
- 犯罪被害に遭ってない
- 日本に産まれて衣食住がある
上の5つに当てはまるだけでも圧倒的に優れてる&恵まれてる側。
日本に産まれていま生きてる時点で、国ガチャには全員成功してる。
むしろ、人間として産まれて悩みながら生きてる時点でゴールに到達してるから、いくらでも人に価値を提供できる。
「自分なんてダメ」なんて気持ちはエゴ100%で、できることなんて山ほどあるから。
目的と手段を見失わないように気をつけよう。
対策2 自己差別も他者差別もやめる
経歴や容姿、お金、健康状態、社会的立場、能力、成果など、ステータスを理由に自分を批判・否定した瞬間、同等かそれ未満のステータスの人間すべてを批判・否定してることになる。
つまり「自分なんて…」という考えは、自分と同じかそれ未満の経歴や容姿、お金、健康状態、社会的立場、能力、成果などの人達を「お前なんて…」と思うのと完全な同義。差別。
───と言うと、インポスター症候群の人ほど、

いやいやそんなつもりは毛頭ないよ
と思うかもしれんけど、それが差別。
無意識の差別が一番の凶器。
自分と同じか自分より下のステータスの人で、自分はダメだけど人はダメじゃない、人はダメだけど自分はダメじゃないって、どっちも差別やし、自意識過剰。
そこに矛盾が生じるから悩む。人間の苦悩の根本原因は矛盾やから。
自己差別も他者差別も、やめよう。
人からの称賛・肯定・感謝・好意・善意は、「ありがとう」で受け取ろう。
対策3 結果・プロセス・能力を指標にして統計から自分を評価する
インポスター症候群の人は、褒められても感謝されても好かれても、モヤモヤする。
シンプルに純粋に「ありがとう」で受け取れない。
自分の能力や自己価値をまったく把握できてないから。
言い換えると、不安や焦りによって目の前のことや自分のやってることのみに意識が囚われてるから、大きな視点から自分自身を見ることが難しい状態。
全体の中で自分の能力が、大体どのくらいのレベルなのかを数値化する統計が大切。
まず評価する事柄を、結果・プロセス・能力の3つに分けて考える。
■結果
- テストの点数・順位・通知表
- 仕事で達成したタスク・ノルマ・年収
- スポーツの成績や芸術の成果物
- スキルや知識の習得
- 読書の冊数、映画の鑑賞数
…etc
■プロセス
- 習得までの時間
- 達成までの時間
- 自己投資額
- 周囲からのサポート
…etc
■能力
- 思考力
- 判断力
- 想像力
- 継続力
- 理解力
- 処理能力
…etc
結果 = プロセス × 能力
100 = 10 * 10
100 = 8 * 12.5
100 = 4 * 25
下図のように、プロセスが少ないほど、能力は高い。
日本や世界全体で見た時に、何%くらいの人が同じプロセスで自分と同じ結果を出す能力があるのかを常々、考える。
身近だと自分と同じくらいの能力の人が集まるから、自己中心性バイアスがかかる。KPIとして適切じゃないよ。
インポスター症候群な知人らの例
- ノー勉でテスト80点
- 出席率30%で成績平均
- 帰宅部でスポーツテスト上位
- 高卒で社会人しつつ大学卒業、外資系就職
- 30代で起業して2年で株式会社化
- 高卒でIT会社経営
- 20代で渡豪し起業
- 16歳で音楽バンドのツアー
- 毎月10冊の読書
- 年に数百本の映画やドラマ鑑賞
- 美麗イラストを1日で1枚描く
これらの能力は、日本全体の上位10%以内には確実に入るレベル。
そもそも時間がかかっても「結果を出せる」という時点で、十二分かつ立派な能力。
なのに知人らのほとんどがインポスター症候群。


自分なんて自分なんて自分なんて……純粋な向上心で謙遜してるだけならいいけど、すごく強迫的になって、仕事や人間関係において自分を苦しめてしまってる人もいる。
無意識に生活してると、周りには自然に同じくらいの能力の人が集まってしまうから、競争が起こってしんどくなる。
マーケティングの真髄でもある「全体を把握する意識」は、自他の幸せのためにマスト。
もちろん、容姿や恋愛経験、友人の数や質などにも当てはまること。
根拠も前提も乏しい己の過小評価や謙遜なんてただのエゴやから捨て去って、適切な自己理解をしよ。
アクションプラン2つ
マインドフルネス
インポスター症候群の人は、自己犠牲を続けてしまいがち。
「今」に集中できてないから。
マインドフルネスという言葉を聞いたことある人もいると思う。過去の後悔、未来への不安に囚われて「今」に集中できないから、今に集中することに集中しようというもの。
自分を取り巻くあらゆる「今」に集中することで、自分をちゃんと幸せにする選択や判断ができる。
その仕組みを解説してるよ。
セルフ認知行動療法
- 頑張っても頑張っても納得できない
- 未来への不安が拭えない
- いつも焦りを感じてる
これらのメンタルの根本原因は、過去に、愛情・称賛・肯定・応援がほとんどなかったり、周囲からの過度な期待と落胆の連続で辟易した経験から、自己犠牲がやめられず、今の自分を適切に愛せなくなってしまってるから。
潜在的に過去に刷り込まれた「認めてもらえない感覚」が、確実に現在のあなたのベースを作ってる。
その過去を『セルフ認知行動療法』で克服することが、インポスター症候群の克服にダイレクトに繋がる。
過去と他人は変えられないけど、未来と自分は変えられる
そんな言葉があるけど、実は過去すら変えられる。
セルフ認知行動療法は、過去を価値に変えて今の自分をゼロベースで愛せるようになる。
人のために、自分を適切に愛そう。
あなたの心・体・時間・お金といったリソースに余裕があればこそ、より深く、より人のために生きられるわけやから。
自分を幸せにしよう。根性論と精神論は身を滅ぼすで。
今回紹介したインポスター症候群は、実はギフテッドという特性を持った人ほど陥りやすい症候群。
以下の記事が、あなたのさらなる自己理解に役立つはず。