ヒスタミンより炎症悪化するエイコサノイドを減らそう

脱ステロイドで治らない喘息やアトピー、その他炎症性の疾患で困ってるなら、炎症をひどくする物質のエイコサノイドを減らしてみましょう。

結論
  • 植物油の代わりに動物油を使おう
  • ポリフェノールを避けよう
  • お米の代わりにパスタ・うどん・そば・もち米を食べよう
  • 砂糖の代わりにてんさい糖・果糖・単花蜜を使おう

エイコサノイドは炎症悪化原因物質

エイコサノイドは、主に以下3種の物質の総称です。

3種類のエイコサノイド
  • ロイコトリエン
  • プロスタグランジン
  • トロンボキサン

これらエイコサノイドは、炎症をとても悪化させます。

炎症を起こす物質として有名な「ヒスタミン」という物質がありますが、エイコサノイドは時にヒスタミンの1000~10000倍の症状を起こすほど強力です。

エイコサノイドは体の免疫反応で作られる

人体は、外敵や異物を免疫によって排除するために炎症を起こしますが、その時にエイコサノイドが生じます。

体がエイコサノイドを作るには、ある一定の条件が整ってる必要があります。

エイコサノイドが作られる条件
  • アラキドン酸が多い
  • エストロゲンが多い
  • インスリンが多い

これら条件を揃わせないことで、エイコサノイドを最小限に抑えられます。具体的には、

エイコサノイドを減らす方法
  • 植物油脂を摂取しない
  • ポリフェノールを摂取しない
  • 低GI値の糖質に替える

これら3点さえ押されば、極限までエイコサノイドを減らせます。

植物油脂を摂取しない

植物油脂を摂取しなければ、エイコサノイドは作られにくいです。

植物油脂は、リノール酸という多価不飽和脂肪酸を多く含む油です。(表の赤文字)

現代人は、推奨摂取量の5~6倍のリノール酸を摂取しています。日本脂質栄養学会

リノール酸は、体内でアラキドン酸という脂肪酸に変わり、エイコサノイドになります。(下図の右上から左下の流れ)

以下の表を参考に、なるべくリノール酸を多く含む油を避けましょう。

油脂の種類多価不飽和脂肪酸(g)
油脂類/(植物油脂類)/あまに油71.13
油脂類/(植物油脂類)/えごま油70.6
油脂類/(植物油脂類)/サフラワー油/ハイリノール70.19
油脂類/(植物油脂類)/ぶどう油63.55
油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ハイリノール57.94
油脂類/(植物油脂類)/大豆油55.78
油脂類/(植物油脂類)/綿実油53.85
油脂類/(植物油脂類)/とうもろこし油51.58
油脂類/(植物油脂類)/ごま油41.19
油脂類/(植物油脂類)/調合油40.94
油脂類/(植物油脂類)/米ぬか油33.26
油脂類/(植物油脂類)/落花生油29
油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ミッドオレイック28.09
油脂類/(植物油脂類)/なたね油26.1
油脂類/(マーガリン類)/ファットスプレッド20.02
油脂類/(植物油脂類)/サフラワー油/ハイオレイック13.62
油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/フライ13.19
油脂類/(マーガリン類)/マーガリン/家庭用/有塩12.98
油脂類/(その他)/ショートニング/家庭用11.56
油脂類/(動物油脂類)/ラード9.81
油脂類/(植物油脂類)/パーム油9.16
油脂類/(マーガリン類)/マーガリン/業務用/有塩8.78
油脂類/(その他)/ショートニング/業務用/製菓8.13
油脂類/(植物油脂類)/オリーブ油7.24
油脂類/(植物油脂類)/ひまわり油/ハイオレイック6.79
油脂類/(動物油脂類)/牛脂3.61
油脂類/(植物油脂類)/パーム核油2.43
油脂類/(バター類)/発酵バター/有塩バター2.15
油脂類/(バター類)/無発酵バター/有塩バター2.14
油脂類/(バター類)/無発酵バター/食塩不使用バター2.05
油脂類/(植物油脂類)/やし油1.53
文部科学省 食品データベースより

料理をする時に使う油は、肉や魚の油を使いましょう。

ポリフェノールを摂取しない

ポリフェノールというと体に良さそうなイメージがあるかもしれませんが、エイコサノイドを増やします。(下図、左上の緑枠)

ポリフェノールは、エストロゲン類似物質ともいい、体内に入ると女性ホルモンの一種であるエストロゲンと同じ働きをします。

エストロゲンは、アラキドン酸がエイコサノイドになるのを助けてしまいますので、エストロゲンと同じ作用のあるポリフェノールを摂取しないことが大切です。

特に大豆は、ポリフェノールの他にステロイドサポニンという植物毒も含むので、最も避けたほうがいいです。

低GI値の糖質に替える

普段、私たちが主食としているお米を始めとする炭水化物、甘いデザートに欠かせない砂糖を、ひっくるめて「糖質」と言います。

この糖質には、食材ごとにGI値という指数が決まっています。

GI値

グリセミック・インデックス値の略。
ブドウ糖を100とする、食べ物ごとの血糖値の上がりやすさの値。

GI値が高ければ高いほど血糖値はすぐに上がり、それに応じて血糖値を下げるインスリンホルモンが出ます。

インスリンがエイコサノイドを作るのを助けてしまいます。(下図、真ん中下の緑枠)

いかにインスリンホルモンを分泌させないか、ゆっくり分泌させるかが重要なので、そのためにGI値の低い炭水化物や糖類に替えましょう。

以下は、GI値の低いおすすめ食材の表です。参考にしてください。

おすすめ食材
主食パスタ、そば、長芋、里芋、かぼちゃ、もち米、おしるこ、うどん
果物スイカ、パイナップル、梨
砂糖果糖、てんさい糖、単花蜜

表の中で、もち米だけはGI値が高いのですが、精白米に含まれてる「アミロース」という免疫抑制成分がもち米には一切含まれていないので、どうしてもお米を食べたい場合はもち米を推奨しています。

まとめ

  • 体が作るエイコサノイドは炎症をとても悪化させる
  • リノール酸、エストロゲン、インスリンがエイコサノイドを増やす
  • 植物油の代わりに動物油を使おう
  • ポリフェノールを避けよう
  • お米の代わりにパスタ・うどん・そば・もち米を食べよう
  • 砂糖の代わりにてんさい糖・果糖・単花蜜を使おう