免疫抑制の禁忌は死に至るほどの最悪の連鎖を生じさせる

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生検をせずにステロイドなど免疫を抑制することの恐ろしさ。

2人に1人はなんらかのアレルギーを持つ現代の日本で、第一選択治療といえばステロイド。アレルギーは免疫の過剰による炎症反応だから、それを薬で抑えようという発想は至極当然とも言えるし、短絡的・安直とも言える。なぜなら免疫を抑制する薬は、感染症には禁忌だから。

免疫が下がることで日和見感染を起こし、感染症はどんどん悪化してしまう。普通に死ぬ。なのに、どこの病院でも免疫抑制薬の処方はスナック感覚で行われる。なんらかの病原体に感染してるかどうかを調べる生検なんて、することのほうが奇跡に近い。眼科領域のアスペルギルス症の患者にステロイドを投与し続けて、脳炎で死亡させたインシデントすらあるのに、体質は変わらない。この異常性を憂うし、対策はあるのかを日々探してる中、「レンチナン」という革新的な方法を見つけた。

免疫抑制により日和見感染する

長期的に免疫を抑制すると、常に易感染性が高い状態になる。たとえばアトピーの患者の皮膚には、

  • カンジダ
  • マラセチア
  • ストレプトコッカス

といった真菌・細菌類が健常の皮膚よりも多い。さらに、

  • ヘルペス
  • ヒトパピローマウイルス

の感染細胞も多い。本来、これらは共生微生物としてバランスを保って皮膚を維持してるけど、薬によって免疫が抑えられることで共生関係が揺らぐ。少しのきっかけで日和見感染に至る。

高血糖状態で微生物が増殖する

然してなんらかの微生物に感染した部位にさらに免疫を抑制する薬を使用し続けると、炎症は治るどころかどんどん悪化していく。今度は食事による悪化が追い打ちをかける。糖質を摂れば摂るほど悪化速度は倍化していく。高血糖状態は免疫のさらなる低下を招き、糖により真菌・細菌が増殖するから。

リーキーガット症候群でインスリン抵抗性が生じる

じゃあ糖質制限をしようということで、代わりに脂質をたくさん摂取することで、飽和脂肪酸の過剰になり、飽和脂肪酸は界面活性作用があるから腸壁の透過性亢進する。これをリーキーガット症候群(LGS)状態という。本来は、摂取した脂質と血中脂質に因果関係はないけど、界面活性作用の過剰摂取や抗生物質の服用などでLGSが進行してる場合は腸管からあらゆる物質が血中に漏れ出てしまう。すると過剰な血中脂質はインスリン抵抗性を招く。糖質を完全に制限してる間はいいけど、少しでも糖質を摂取したらいよいよ高血糖状態になりやすく血糖値スパイクも起こりやすい状態。さらに免疫は低下状態になり、感染症は爆発的に悪化する。

コルチゾールも血糖値を上げる

感染症が悪化するということは、感染部位に炎症が起こったり組織剥奪を起こすということだけど、炎症が起こってるということは体の治癒能力も当然ながら働き始める。体が「炎症ストレスを緩和しよう」とする。ありがたい。これがストレスホルモンのコルチゾールの分泌だけど、このコルチゾールが血糖値を上げる。血糖値が上がると免疫は抑制されるから、感染症はさらにひどくなる。泣きっ面に蜂とはこのこと。食事によってもすぐに感染症もとい病気の症状が悪化するようになる。

食事による悪化で病気の原因は迷宮入りする

ここまで来ると食事による悪化なのか感染そのものの悪化なのかもわからなくなり、患者は五里霧中で◯◯ジプシーやセカンドオピニオン、あらゆる民間療法に手を出してしまって、もう因果関係か相関関係かすら洗い出すのが不可能に近くなる。

食事による悪化というのは、たとえば、

  • 野菜や炭水化物、香辛料など:3万種あると言われるなんらかの植物ホルモンが含まれていて、免疫が抑制・賦活される。
  • アミノ酸:グルタミン酸によってオータコイドという炎症増悪因子が増えるし、ヒスチジンはヒスタミンという炎症物質になる。
  • 脂質:パルミチン酸やステアリン酸などの飽和脂肪酸がLGSを増長するし、アラキドン酸やリノール酸はエイコサノイドというヒスタミンの1000倍とも言われる炎症悪化物質を増やす。

最初に生検をせずに免疫抑制剤や抗生物質を使ったというだけで、これだけの「無害なもの」が有害になり、数年~数十年、下手すると一生、苦しむことになる。ここに一切の責任や罪悪感を抱かず何十兆円もの市場規模を維持してる医療には、サイコパスを感じざるを得ない。

起死回生には根性を要する

基礎疾患+無自覚の日和見感染という泥沼から脱するために患者がしなければならないのは、薬で下げてしまっていた免疫を戻すことだけど、まず薬をやめる時点でそれまで抑制してた炎症が暴発する。それに耐えつつも、すぐには戻りきらない免疫を戻すために最大心拍数の70%を目指した運動を毎日続ける必要がある。自律神経を整えるためと、免疫を調整するために。自律神経は交感神経と副交感神経(興奮と鎮静)、免疫は細胞性免疫と液性免疫(抗原を殺すか排除するかの違い)。運動によってバランスが一時的に是正されて、継続することで恒常性が変わる。

食事は、たんぱく質メインで、グリセミック・インデックス値(ブドウ糖を100とする血糖値の上がりやすさ)の低い糖質とアクの少ない野菜、少量の動物性脂質のみ。これらを徹底することによって半年ほどで「医原性感染症」の地獄を脱することができる。医療の怠慢を、患者が命を用いて尻拭いする格好。恐ろしい。

最近ついに発見した「抗腫瘍性多糖」という希望

免疫抑制やLGSからの感染由来の炎症性疾患の場合、それがぜんそくやアトピーのようなアレルギー性であっても、潰瘍性大腸炎やクローン病などのIBD、ひいてはガンまで、すべてを網羅して対策できる可能性のある「抗腫瘍性多糖体」という知見にたどり着いた。

水溶性食物繊維の総称をβグルカンと言い、その一種のレンチナンというシイタケ抽出物が、抗腫瘍性多糖。これには

  • 抗がん作用
  • 抗発がん作用
  • 抗ウイルス作用
  • ヘルパーT細胞1型免疫活性能
  • sIgA(分泌型免疫グロブリンA)の産生能

があると判明した。しかも、ステロイドなどの免疫抑制薬のように外から直接免疫を左右するというより、TLR4という病原体を認識するシステムによってβグルカンが認識されて自然免疫が高まる、という仕組みになっていて、要は副作用がないということ。

かつて抗がん剤と使われた謎の製剤

もともとは昔の抗がん剤による免疫抑制で衰弱していく「悪液質」という状態を改善するために一緒に使われていた「抗悪性腫瘍剤」にもなっていた成分がレンチナンで、味の素が開発元。

出典:ミクスOnline

2018年3月31日、現代医療の化学療法の進歩によって販売が中止された。個人的には、ガンのみならず感染症にもアレルギーにも有効なこの製剤を販売中止にしたのは何か裏があるんじゃないかと勘ぐってしまうくらいにオールマイティ。

>https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=57644#:~:text=1986%E5%B9%B4%E3%81%AE%E7%99%BA%E5%A3%B2%E3%81%8B%E3%82%89,%E6%9C%9F%E9%96%93%E3%81%8C%E6%BA%80%E4%BA%86%E3%81%99%E3%82%8B%E4%BA%88%E5%AE%9A%E3%80%82

マリオもびっくりのキノコパワー

出典:Nintendo

販売が中止されたならもうこのレンチナンというβグルカンを、現代病に使うことはできないと落胆しそうだけど、じつは普通にキノコ類(特にしいたけ・まいたけ・まつたけ)に含まれている黒色の成分がレンチナンのこと。だからこれらを食べれば前項の効果を得られる。熱に安定(焦がさなければ)だから、調理法も自由。ただ、昔から「乾燥キノコの戻し汁を飲めば病気が治る」と民間療法で言われてたことから、煮汁も一緒に飲むようにするとさらなる効果が見込める。

学術的には、Lentinula edodesがしいたけの学名。水溶性食物繊維=βグルカンを多く含み、そのうちのレンチナンが肝心の成分。以下、学術的説明。

キノコ由来の多糖類は、マクロファージの表面に存在する初期免疫に重要であるTLR4を介して認識される。しかしながら、本来高分子体である多糖類が体内に吸収されるか否かについては、はっきりとしたデータが出ておらず、論議されている。もし、吸収されないとしたら、これまで検討してきた活性化機構が本当に起こるのかどうかには、疑問符が付くところである。そこで、キノコを経口摂取した条件のモデル系として、粘膜側に小腸上皮細胞であるCaco2細胞を、基底膜側にマクロファージであるRAW264.7細胞をそれぞれ配置した共培養系を構築し、キノコ由来多糖が小腸細胞を介してマクロファージを活性化し、TNF-α産生が増強されるかどうかを検討した。粘膜側にレンチナンを添加した際、粘膜側にほぼ100%レンチナンは残存しており、基底膜側からは検出されなかった。このことは、レンチナンのような高分子多糖は、小腸上皮細胞からは吸収されることはないことを示唆していた。一方、Caco2細胞と同時に基底膜側にマクロファージ様細胞であるRAW264.7を配備した共培養系では、基底膜側にTNF-α産生が認められた。このことは、シイタケ中に含まれる抗腫瘍性多糖レンチナンは、それ自体はRAW264.7を刺激してTNF-α産生を促す作用は有しないが、Caco2細胞を介することによって、なにがしかの刺激反応あるいは細胞間同士の情報交換が行われ、マクロファージが活性されることが明らかとなった。
マクロファージから産生されるTNF-αは、活性酸素によるシグナルトランスダクションに関与している。そこで、スーパーオキサイドを消去する酵素であるSODと、過酸化水素(H_2O_2)を消去する酵素であるCATを基底膜側に添加し、どちらの活性酸素がマクロファージの賦活化に関与するのか調べた。その結果、CAT濃度200U〜50U/mlまではTNF-α産生は90%以上阻害されたが、同条件でSODを添加した際には、TNF-α産生は全く阻害されなかった。この結果より、腸管上皮細胞は、レンチナンの刺激によりH_2O_2を産生し、このH_2O_2がマクロファージを刺激し、TNF-α産生を誘導している可能性が示唆された。

https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-16500509/

つまり、

  1. レンチナンが認識される
  2. なぜか過酸化水素が腸管上皮細胞で作られる
  3. その過酸化水素が免疫を賦活させる

不定愁訴や予後不良の炎症性疾患のほとんどの原因が、医原病としての日和見感染だとするなら、菌を以て菌を制す──という胸熱な展開ってことだ。

───追記1───

カルシウムイオン(Ca 2+)透過性のカチオンチャネルにTransient receptor potential channel(TRPチャネル)のmelastatin(M)フ ァミリーに属するTRPM2(トリップエムツー)というのがある。これははマクロファージや好中球など免疫系細胞において最も豊富に発現が認められている。そして、通常TRPM2は高温域(約 47°C)でないと作用しない。つまり、通常の人体の環境では作用しない。ところが、TRPM2は過酸化水素などによる酸化的 ストレスによって活性化される。
 ご存知のように、マクロファージは貪食の過程で過酸化酸素を発生する。この過酸化水素によって、通常は高温でしか活性化しないTRPM2の活性化温度閾値(約 47°C)が体温域(約 37°C)まで低下する。 すると、TRPM2 が作用しCa 2+の細胞内への流入が増加し、マクロファージが活性化されるのだ。

https://www.e-doctor.ne.jp/c/nakagawa/2005/

訂正:引用中、原文ママだけど「過酸化酸素」となっているところがあり、正しくは「過酸化水素」。

要約すると、

  • 47℃で活性化する温度センサーのような細孔が細胞膜にある
  • 免疫細胞のマクロファージが抗原や病原体を食べた時に過酸化水素が発生する
  • 過酸化水素によってセンサーが37℃前後で活性化して免疫細胞も活性化する

思うに、経口免疫寛容やワクチンと同じ機序の現象が起きてるんじゃないかと推測する。つまり、ワクチンはそもそもの病原体を不活化したものを体内に入れることで、抗原提示細胞によってメモリーされて、免疫が作られる。アレルギーの治療の一つである舌下免疫療法も同じで、微量のアレルゲンをベロの下に潜ませて免疫を慣らしていく。舌下免疫療法に限っては命の危険性や悪化の懸念があるから個人的には大反対の手法だけれども、レンチナンによるマクロファージの活性化はこれらと似た現象が起きてるんじゃないかと。病原体を認識するTLR4がβグルカンを認識するから。

追記2 マイタケのほうがつおい

免疫賦活による抗がん作用においては、マイタケのほうが効果が高いことがわかった。

きのこ食の発がん予防効果 きのこ雑学講座8 茨城県ホームページ

群馬大学の倉茂教授は,ネズミに発癌剤を飲ませながらきのこを混ぜた餌を与えて飼育し,半年後に解剖して癌の有無を調べました。その結果,発癌率は,比較のために餌にきのこを混ぜなかったネズミが100%,シイタケを与えたものが52%,マイタケを与えたものが46%,ヒラタケを与えたものが65%でした。きのこを与えていて発癌したネズミの癌の大きさは,きのこを与えなかったネズミの癌に比べ,はるかに小さかったそうです。

 長野県農村工業研究所の小田切博士は,長野県全体とエノキタケ栽培農家(エノキタケを常食していることが多い)の癌による死亡率を比較しました。人口10万人当りの癌による死亡者数は,長野県全体で160人,エノキタケ栽培農家で97人でした。さらに,エノキタケをほとんど食べない家庭と1週間に1~2回以上食べる家庭に分けて,臓器別(胃,食道,直腸,肝臓,膵臓,肺)の癌の発生率を比較しました。すると,すべての癌で,エノキタケを食べている家庭の方が癌になる率が低く,特に胃,食道,直腸,膵臓癌では,半数以下の値を示しました。

 ここでは4種のきのこの例をあげましたが,ブナシメジ,ナメコ,マッシュルーム等でも動物実験で制癌効果を認めた事例があります。このように,きのこを常食することで,癌にかかりにくい体を作ることができます。また,癌にかかっても,その進行を遅らせる効果が期待できます。

 きのこ食の制癌効果は,人が本来もっている免疫力を活性化させ,その免疫力によって癌を抑えこむもので,癌細胞を直接攻撃する多くの抗癌剤のような副作用はないそうです。人類の悲願である癌の特効薬の鍵は,案外きのこがにぎっているのかも知れません。

きのこ雑学講座8 茨城県ホームページ

きのこすごいけど、懸念が一つある。免疫を抑制ではなく賦活するにせよ、免疫側からすると賦活する必要がないのに外的要因で賦活されるから、逆に抑制側に働いて、きのこの摂取をストップすると結果的に元より免疫が低下して易感染性が上がったり、発がん性が上がるんじゃないか。

ただ上記の引用の最後の研究は、そこそこ長期的な調査のようだから、そういった懸念は杞憂なのかもしれない。

免疫を賦活する=排除反応が強くなる

キノコを食べれば免疫が高くなって、薬による免疫抑制で日和見感染を起こしてたとしても対策できるとは書いたけど、免疫が高く(強く)なるということは、排除反応が強くなるということで、一時的には症状が悪化する。ほぼ確実に。体液が出たりかゆくなったり腫れたりする。それを乗り越えた暁には、レンチナンを摂取する前よりも明らかに病状が軽快する。アトピーなら湿疹が、ぜんそくなら発作が、◯◯炎なら炎症が、マシになるし、最終的に治癒する。

レンチナンは医原病の唯一の根本治療たりえる

定期的にレンチナンを摂取すれば(βグルカンを食えば)、体の機能としての免疫バランスの恒常性が変わって、腸管免疫がバグってるがゆえに陥る全身のあらゆる慢性疾患は文字通り「治癒」に至る。一時的な症状の悪化を乗り越える自信のある人には、最適解。というか現代において、医療従事者や患者が気づいてない(無自覚の)日和見感染における慢性疾患が、根治に至る可能性が最も高い方法はこれで、その他のどんな食事療法だったり湯治や漢方療法なんかよりも革新的。副作用もない。(論文でも副作用はないと明記されていた)

あとは臨床的見地

レンチナンで現代病の多くをなんとかできそう、みたいなことを書いたけど、あとは臨床的に自分の目で確認したいから、自分の体でちょっと実験しようと思う。重度アレルギーの数十年選手で、抗生剤や免疫抑制剤も使用歴があって、可変要素を減らすためにほぼ同じ食べ物しか摂取してないから、もし変化があれば効果てきめんなはず。

そもそも先日たまたま舞茸と椎茸を食べた時に即時アレルギー様症状がいきなりプチ・アナフィラキシー的に起こって謎だったから調べてみたら、そういう論文にたどり着いた。10年以上、あらゆる分野の論文をなんだかんだ千本以上は読んでるし、仮説検証もたくさんしてきた。直近の暫定的な結論としては、プロテオバクテリア門の菌を腸内に定着できれば慢性疾患の根治につながるというものだったけど、それをしなくてもカンタンに体の機能に根本的な変化を起こせる今回発見した方法は、再現性が100%なら革命とも言える。

なぜレンチナン製剤が販売&開発中止になったのかの真偽は不明だけど、いまになってこの凄さが見直されたり新事実が発覚してきたのは意義深い。しいたけで万病が治ったら何十兆円もの医療という市場が覆って慢性疾患もちの患者というリピーターが減ったら医療従事者の方々も困るもんなぁ。犯罪がなくなったら警察は困るし、味がなくならないガムはもし作れても売られないし、壊れない車を作れても売られることはないんだ。

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