周りがバカに見えたら高機能自閉症の検査を受けたほうがいいかもね

発達・2E

不要な誤解を招きそうなタイトルにしてみたけど、文字通り、少しでも「周りがバカ(思考能力が低い人)ばかり」と思ったり悩んだりしたことのある人は、一度、ASD(高機能自閉症=自閉症スペクトラム、アスペルガー)の検査を受けてみてもいいと思う。

僕はアラサーにしてASD2級と診断されたわけだけど、きっかけは、なんと父が還暦を過ぎてから発達障害だと医師から言い渡されて、僕自身も昔から説明できない生きにくさや、明らかな「人と全然違う自分」ってのを感じて生きてきて、アスペは遺伝する(先天性)って聞いたから、ついでになんとなく検査してもらおーってのがきっかけやってん。

主治医の第一声「周りの人間がバカに見える?」

度肝抜かれてんけど、検査を受ける前に当然初診とか色々あって、問診票書いたり、診察前に研修医の人に予診してもらったりして、じゃあいよいよ本診察や~ってことで主治医と対峙したら、先生の開口一番が、

アスペなドクター
アスペなドクター

周りの人がバカに見えない~??

いやいやいや、あなた、言いたいことはわかるけど、言葉選ぼうよとか、良心痛まないのかって思ったよ。

後々わかったことだけど、その先生は精神科医の中でもアスペルガーを専門に診る人で、何を隠そう、その先生自身もアスペルガーやったっていうね。

アスペルガーは思考能力に長けている?

僕は今まで、自分の話の意図や内容を、誰にも理解されたことがほとんどない。

ひどい人は「なに言ってるかわかんない」→「頭おかしいめんどくさい人」っていうよくわからん結論を勝手に出してきて、こちらが悪いみたいになる。

10代の頃から、そういうことがあるたびに、自分の話し方とか表現がおかしいんや~と思って、一生懸命に伝えようと努力した。

語彙力を増やそうと読書したり、自分が話してるのを録音して、緩急とか抑揚、イントネーションとか、言葉の間(ま)とかを何度も研究したりした。

けど、そういうことをすればするほど、余計に人に理解されなくなっていってさぁ。

大体の人って、自分から話を振って来てんのに、そこに責任持とうとしないみたいやねん。

さらには、平気で途中で話を投げ出して、強制終了しちゃう。

こっちは、いつだってとことん向き合おうとするわけよ。

真剣に話を聞いて、真剣に考えて、真剣に話すねん。

相手もこっちも納得するまで、問題や悩みとかがちゃんと解決するまで、最後まで続けようとするねん。

どうやら、それこそが「アスペルガー」の特徴やったようで、もう、愕然としたよね。

今までの人生なんなん、くらいのカルチャーショックというか。

自分が人より劣ってると思って、必死で成長しようと努力してたことが、なんなら周りの人との溝をどんどん広げる行為に他ならなかったってことやから。

高機能自閉症の「高機能」は、文字通り人より優れているという意味かもしれない

先日、ツイッターで下記のツイートがバズってた。

要約すると、ADHD(注意欠陥多動性障害)の人は、何かをする時に、「誰かのため」という理由なら普通の人以上に結果を出す、って内容。

これをさっきまでの話とすり合わせると、自閉症と多動は時にセットみたいなもんやから、高機能自閉症の高機能って文字通り「人より優れてる部分」ってことやねんな。

本来の高機能の意味ってのは、「知的障害を伴わない」って意味なんやけど、どうやら認識は変化してきてるなぁという実感。

それでも僕のIQは、WAIS-Ⅲという正式な検査で100±10の平均値やねん。

だから、たぶん多角形のグラフにした時に、人よりかなり劣ってる部分ってのはもちろんあって、そのかわりに別の部分で人よりかなり秀でていて、長けているんやろうなぁっていう。

誰だって得手不得手は当然あるねんけど、発達障害の場合はその「差」がめちゃくちゃ大きいってことなんやろうなぁと。

それがこのサイトの合言葉でもある「長けたら欠けた」に繋がるわけですよ。

追記2022.8

現在、フォルスネガティブ(検査による検出漏れ)のギフテッド2Eということが専門医によって判明。

心当たりのある人は、下の記事でチェックしてみたらどうかな。

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具体的に自分が何に長けていて、何が欠けているか

そして僕が人より劣ってる部分てのは、身体機能とか身体能力とか、そもそも脳みそを全く使わない部分での決定的な不器用さ。

これは完全に自覚があって、例えば高校の体育の授業で、バスケットのドリブルのテストがあって、等間隔に三角コーンを置いてジグザグにドリブルして、往復したら合格みたいなんがあった時に、ドリブルしながら1つ目の三角コーンに突進していったりとかね。

あとスポーツテストで、ボール投げってのがあって、みんな20~30mとか投げるのに、僕だけ9mとかさ(笑)

何回投げても飛ばんし、コツ教えてもらっても変わらんし、めちゃくちゃ恥ずかしいって(笑)

でも、縄跳びとか、走ったり筋トレしたりとか、単純な運動ってのは持久力有るし、得意やったり。

あとサッカーもまだできるかなぁ。

なんにせよ、不器用なんですよ、運動全般。

けど、もし幼少期から高機能自閉症やとわかっていたら、思考力をプラスして、優秀な成績を収められるようにもなる可能性もあるわけで。

ただ、自分が興味のある対象や価値が大きいと思うことにしか能力を発揮できなくて、イヤやな~って思うことをしなきゃいけない時は、子供の頃からリアルに気絶しそうなくらいしんどくなってたから、本当に融通が利かなくて、なんかもうすごい自分が情けなく思う時もあったけどね。

発達障害がバカなのか、定型発達がバカなのか

自分自身、バカって言葉は特に悪い意味はないと思ってて、言い換えると「無知」とか「思考が浅い」とかやから、人格否定してるわけじゃないねん。

記事のタイトルとは裏腹に、どちらかと言うと幼少期から自分は「バカと言われる側の人間」やったし。

ただ、人からバカって言われるのは構わないんだけど、どういうとこがバカなのかって具体的に説明できない人の浅はかさこそバカやと思ってるから、その矛盾に頭抱えることが多かった。

この論理でいくと、ほとんどの人が「曖昧で漠然とした相対的な思考」でしか会話してなくて、なのにそれを「具体的で絶対的な断言」にすり替えてるから、とても「バカ」に見えるのね。

今まで、少し言葉を交わしただけの人も含めると、思いつく限りは300人以上と会話したけど、んーーー……本当にお互いの意見を一つの着地点に照準合わせて、建設的で生産的な会話ができるのは、10人もおらんくらいかなぁ。

これは、学歴とか職業とかはあんまり関係ないけど、傾向的には「大卒の女性」の方がそういう会話できる人が多い印象。
自閉症は男性に多いと言うけど、女性にも実は居て、本人が自覚のないままでたゆまぬ努力で無理しまくって社会適応してるケースがめちゃくちゃ多いって情報を最近知ったから、育ってきた環境の差は往々にしてあれど、やっぱりそういった会話が可能な人に、自閉気味な性格は共通してる気がする。

ASD専門医「アスペと仲良いヤツは全員アスペ」

これも、開いた口が塞がらないというか、「悪そうなヤツ全員友達」みたいな、某有名ラッパーもビックリな文言ですよ。

主治医曰く、

アスペなドクター
アスペなドクター

そりゃそれだけ人と違ってたら、社会適応もできないわけだし、それでもずっと不快にもならず、ずっと時間を共有し続けられる関係と言ったら、もう類友しかないよね

らしいです。(要約してる)

アスペ以外にも、自閉症とボーダー(境界性人格障害)も相性が良いって言ってたけど、これはまたの機会に。

検査を受けて「お墨付き」をもらうのもアリ

”めちゃくちゃ友達少ないけど、切っても切れないくらいお互いを知り尽くしてる”みたいな人間関係を構築してる人も、「周りの人間がほとんどバカに見えて仕方ない」って人も、ぜひぜひ高機能自閉症(自閉スペクトラム症)の検査を受けてみるといいよ。

なんでこんなに勧めるかって、わざわざ自分の優れたところを犠牲にしてまで周りに合わせんなってことが言いたい。

世の中ってのは、ある能力が突出した人がたくさんの分野でたくさん活躍して発展して豊かに便利になっていってるわけですよ。

それなのに、「人に合わせて苦手を平均レベルに叩き上げる苦労」にばっかり人生を浪費してたら、リソースが超ムダやん。脳科学的にも非効率ってわかってることやし。

個人の幸せにとっても、社会や人類のためにも、それぞれが好きなことや得意なことを、利他的・内発動機でぐんぐん伸ばしてくのが最高に効率的・合理的なんやって。

強制や抑圧っていう外発的な動機で、半ば強引に「やりたくないやりたくない」って思いながらやることなんて、大して成長もしないし、勉強や練習が身に付くスピードも遅いし、長い目で見たらなんのメリットもないどころか、社会の発展を妨げるやり方なんよ。

だ・か・ら、「なんか自分って周りの人と同じようにできないなぁ」って思ったことが少しでもある人は、自分の秀でた能力をぶっ潰してしまう前に「高機能というお墨付きをもらってきてね」ってことです。

みんなが、自分らしく、やりたいことや得意なことを活かせる社会にしていかないとね。

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まとめ

「周りがバカに見える」っていう現象が人生にずっとある人は、高機能自閉症かもしれん。

本当は突出した能力があるのに、それを環境によって抑圧されたり、剥奪されたりして、損してるとしたら、悲劇やん。

本当の自分を知るために、高機能自閉症(ASD=自閉スペクトラム症)の検査を受けてみてもいいかもね。

オンラインでもオフラインでも、僕は啓蒙やサポートをしてるけど、「腹落ち」して人生が起死回生する人も少なくないし、僕もそのうちの一人やった。

自分と周りの間に明確にある「違和感」を、拭える人が一人でも多くなればいいな~と思う。

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