以前、ブログに届いたメッセージにこのようなことが書かれてた。
頭ではわかってても、うまくできなかったり、心で感じられないことがある。
つまり、理解はできても実感や行動が伴わないことが多いという悩み。
僕はそこかしこで、こんなことを言ってる。
「個人の不幸も世界の悲劇も、全ては一人の自尊心の欠如から始まってる」
「幸せをたくさん感じられるようになるにはまず自尊心を取り戻すしかない」
「自尊心を取り戻すにはまず”存在自体が価値であること”を知ることが大切」
「同時並行で、いろんな物事を知ったり経験して価値を知っていけばいい」
───興味があろうがなかろうが、とりあえずなんでも試してみて、その中から自分にとって価値が高いと思うものを人生で増やせばいい、と。
それに対して「わかっててもできない」という旨のメッセージを何度かもらったことがある。
理解に、実感と行動が伴わない理由は2つ。
・ちゃんと理解できてない
・自分に意識を向けすぎ
ちゃんと理解できてない
人間は、変化するのをためらう生き物だから、そんなに早く、今までできなかったことができるようになるわけではないし、行動をためらってしまうのも当たり前。(ホメオスタシスやクリエイティブ・アヴォイダンスという)
「わかってても……」というのは実はわかってなくて、わかる=知る+感じるだから、知識を得た上で実際にやってみて初めてその結果を感じて「わかった」になる。
だから、行動する前ってのは実はわかってないのと同じ。
そうは言っても、やっぱり「今よりももっとより良く生きたい」って気持ちを持ってる人に対して、少しは有益なアンサーを用意したいのが人情。
これまでは「本当にしたければ行動も挑戦もするし、しないってことはしたくないんじゃない?」なんて返すことが多かったけど、そう返せば当然、近づいてきては離れていく人が後を断たなかった。
だから、ちょっと考えてみようということで、周りの身近な何人かに話を聞いてみたら、案の定、メッセージの方に共感するような意見が多かった。
行動したいならすぐ行動するし、変わりたかったら今すぐ変われるし、挑戦したかったらすればいいやん


したくてもできないのが人間ってもんだよ
僕も人間ですけど……

という無限ループにも思える問答が続く時もあった。
僕自身、ASDとADHDゆえにもちろん人と違う思考回路をしてるし、ワーキングメモリなど特定の能力が人より高いことは関係してるだろうけど、一方でストレス過敏性は人の4倍以上あるから、特段メンタルが強いというわけじゃなく、むしろ豆腐メンタル。
なのにどうしてこうも”違い”があるんだろう、と考えてわかったことは、意識の矛先が自分自身かそれ以外か、行動の動機が好奇心と探究心か、がキーポイントってこと。
頭でわかってても行動できない、心と身体がついていかずに行動できない人は、自分自身を意識しすぎてる。
だから好奇心と探究心が湧かず、湧いても続かず、実感を得る前にやめてしまったりする。
明文化したので、読めばあなたも「行動や挑戦して実感ができるようになる」かもしれぬよ。
ちなみに、あなたの体は健康という前提で書くよ。
好奇心と探究心があるかどうか
色々と調べつつ考えた結果から言うと、まず次の2点が圧倒的な差を生んでる。
・実際に行動を起こしてみたいという好奇心
・やればできるよろしく「できるまでやる」という探究心
これら2点が自身には無尽蔵にあって、明確に人と違うところだとわかった。
一聴するとメリットだらけのイイコトのように聞こえるこれらも、条件によってはリスクになるし、デメリットにもなることを強調したい。
メリット
好奇心と探究心があるということは、「幸せになる」という観点ではこれ以上ないほどのメリット。
誰と比較しなくても、誰に負けても勝っても気にならないから、自分以外の誰かや何かを消費して心を満たす必要がなく、自分の基準で物事をやりきるから後悔もなく、コスパは最高。
好奇心でいろんな物事に興味を持てば、知識も増えるし方法もわかる。
探究心で徹底的にやり切れば、自分の能力において最高の結果を出せる。
最終的には幸せの総量が増えて、感じられる自分になる。
ただ、さっきも言った通り、なんにでもリスクというのがあって、それの対策をしなければ好奇心も探究心もデメリットになる。
デメリット
まず、好奇心に関してはミーハー・器用貧乏になりやすいということ。
時間というのは即ち生きてることそのもの、人生のことで、有限かつ最も価値のあるものだけど、その時間の配分を自分の意志で決める前に好奇心や興味が勝ってしまうミーハーだと、どうでもいいことに余計な時間を必要以上に割いてしまって、やるべきことに使う時間がなくなってました───みたいなケースも少なくない。
それに「できる」というハードルが自分で設定したものだから、結果の質がピンキリになってしまう。
平均よりも高いスキルを身につける時もあれば、てんでダメでも自分の中でOKとみなせばそれ以上は突き詰めないから、1つの技術や経験の専門性を極めるに至らない器用貧乏になりがち。
探究心に関しては、あまりに没頭しすぎると、人から止められても、「スッパリやめる」という選択ができない。
自分が納得するまで延々と探求し続けてしまう。
そのせいで心や体のリミットを超えて倒れてしまう、といったことも過去には多かった。
だからしっかりデメリットに対策して、イイトコ取りをするのが大切。
じゃあ次は、この好奇心と探究心の根本原因、発露、出処はなんなんだろうか。
自分に意識を向けすぎ
僕自身、好奇心と探究心がなぜ人より多いのかを調べたり考えたりしてわかったのは、意識の矛先にほとんど自分がいないということ。
意識の矛先は主に、自分が関与し得る物・事・人に向いてる。
それらだけに向いていて、自分を意識する暇(イトマ)がない感覚。
もっとシンプルに言うと、以下の3つ。
①「ナニコレおもしろそうたのしそう不思議どうなってるんやろ」
②「こりゃ放置すると大変なことになる問題ですぞ~解決しなきゃ」
③「あら苦しそうな人がいるな~どうやったら和らげれるかな~」
意識を外に向けてると、常にHowとWhyが湧いてくる。そう、興味。
人間は産まれた瞬間から、99.9999…%のことを知らずに一生を終えると決まってる。
マチュピチュ遺跡を見ずに、オーロラの音を聞かずに、ペタンクというスポーツをせずに、砂漠の砂を触らずに、四肢がちょん切られずに、生涯を終える人の方が圧倒的に多い。
つまり、どれだけ全力で日々を行動していたとしても、知らないことや経験しないことのほうが圧倒的に多いまま死んでいく。全ての人が。
そう考えると、何をしようがしまいが自由だし、興味の赴くままに生きる方が後悔しないでしょっていうシンプルな結論。
行動や挑戦がうまくできない人や、不安や迷いにがんじがらめになる人の最大の特徴として、常に自分の意識が内側(自分自身)&過去に向いてしまってることが挙げられる。
外に意識が向かないと、まず興味を持てない。
興味が持てないと、知識と経験が増えない。
知識と経験が増えないと、真実や正解がわからない。
真実や正解がわからないと、リスクが読めない。
リスクが読めないと、怖い、めんどくさい。
怖かったりめんどくさいと、動けない。
動けないと、また頭を使う。
頭を使うと、悩む。
悩むと、自分に意識が向く。
───この無限ループにハマってしまって、行動や挑戦ができなくなる。
自分に意識が向くのはエゴ(傲慢)
まず真っ先に重要なのは、自分に意識を向けるのはエゴだから必要性はゼロだということ。
もっと具体的に言えば、意識=自分だから、わざわざ意識に意識を向けなくてもいい。
自分の考えたり感じてることがそのまま自分。
つまり、悩んだり迷ったりしてる時は、その気持ち自体が自分。
自分に意識を向けるってことは、悩みや迷いに意識を向けてるってこと。
でも考えてみてほしい。
悩みや迷いを断ち切ったり問題を解決するためには、新しい知識や経験が100%必要になる。
なぜなら、それまでの自分の持ってる知識や経験でどうにかなるなら、悩みや迷いや問題は最初から生じてないか即刻打破できてるはずだから。
もっとシンプルに言うと、悩んで迷って不安で恐れるのは無知だから。
無知な自分が起こした現状なのに、据え置きの無知な自分のままでどうにかできるわけないでしょっていう。
結果論として、自分自身や過去ばかりに意識を向けるのはエゴということ。
だから、外に意識を向けることを心がけて、習慣にしていったほうが結果的にお得でハッピーになる。
!!注意!! 意識は不要、認識は必要
自分自身に意識を向ける必要はないとは言ったけど、認識は必要。
じゃないと、先述した通り、体や心のリミットを認識しないと見誤ってしんどくなってしまう可能性があるから。
どういうことかと言うと、楽しい・嬉しい・つらい・悔しい・ムカつく…などの現在の感情や、過去のネガティブな記憶に意識を向ける必要はないんだけど、自分自身を理解するための情報としてそれらを認識するのはとても大切。

今イヤな気持ちだな、どうしてイヤなんだろうな、このイヤな気持ちはどうやったらなくなるんだろうな

全然元気なつもりだけど、実際に体は疲れてないかな、興奮してるから元気だと勘違いしてるだけじゃないかな、自分のこと犠牲にしちゃってないかな
つらい思い出や記憶を消したいな、そう思うのはなんでかな、今の自分が何かして変えられることかな
などなど、ちゃんと自分の心身の状態とか記憶を「情報として認識する」のはめちゃくちゃ大切。
これがいわゆる「自分を大切にする」ってことだから。
まとめ
1.頭でわかってても行動や挑戦ができないのは、実はわかってないから
☛本当にわかるのは、行動や挑戦をした後
2.行動ができないのは好奇心や探究心がないから
☛まずは興味を持とう
3.興味が持てないのは、意識が自分自身に向きすぎてる傲慢さが原因
☛意識を外に向けようとすることから始めよう
「わかっててもうまくできない」という頂いたメッセージを基に、書いてみました。
脳科学的には「する or しない」の選択肢自体では幸福度は変わらず、どちらを選ぶにせよ「選択することそのもの」が幸福度を上げる。
行動や挑戦は大きな変化をもたらすけど、僕は「イヤでしんどいことはもうしない」を意志で選択してその環境を実現するために学んで行動して人にも頼ったから、一にも二にも、どれだけ自分の心に正直になれるかが人生のターニングポイントを作るよ。
ごきげんよう。