自然分娩でなく帝王切開で出産すると、産まれた赤ちゃんが自閉症やアレルギーになりやすいという情報をしばしば聞くし、そういう研究結果があるっていう情報も散見する。
けど、自然分娩でこの世に爆誕したのに、自閉スペクトラム症2級と重症アレルギーの僕が、真っ向から否定する。
簡単な話、帝王切開で産まれても、そういう病気や障害にならない人がたくさん居る時点で、因果関係ではないから。
因果関係と相関関係を知らない人が多すぎて辟易するけど、ムダに悲しんだり凹んだりしないためにも、この2つの違いはちゃんと理解しておいたほうがいいよ。
因果関係ってのは、100%のこと。
相関関係ってのは、「まぁ関係なくはないかな」くらいでも当てはまる。
全然別物やから。
そして、世に出回ってる情報ってのは、たとえ信頼性の高い学術機関の科学論文でさえ、相関関係のものが圧倒的に多いねん。
つまり、自分にとって困るような情報を見つけたとしても、それが100%の真実である可能性は低いから、なんも気にする必要はないってことやねん。
今回の説の信者も、因果と相関の違いをわかっておらず、機序(そうなる仕組み)なんか自分の言葉で説明できない人たちばかりやから。
断言するには、それがいかに不確かなものであれ、自分で調べて自分で学んで、ちゃんと自分の言葉で矛盾なく仮説として提示する義務があると僕は考えてる。
だって、医療を始め、食べ物のことや運動のこと、化学のことって、人の心や人生や命に、直結するような重大な情報もあるわけやん。
心身の病気になったり、事故のもとになるからさ。
こういう意識がほとんどの人にないし、医師や科学者っていう専門家の中でもこの強い意識持ってる人は少ない。
だから、他人の言うことがどんなにそれらしいことでも、得意げに断言したり不必要に喧伝して煽ったり盲信してるだけやから、なーーーーんにも信用しなくていい。
信じて悩んで傷ついてつらくなって悲しむ必要なんてない。
これらを踏まえて、帝王切開の件は、僕の存在そのものによって、明らかに相関関係でしかないって証明は終了なんやけど、さらにここから根拠を示すことによって説を否定する。
まず、自閉スペクトラム症やアレルギーってのは、神経伝達物質の分泌量や伝達の仕方の違い、免疫の働きの違いなのは確か。
で、それらは人間の中に居る100兆匹とも言われる微生物によってある程度左右されるってのも確か。
その微生物がどこに居るかって言うと、現段階で広まってる情報として、大半は「腸内」に居ると。
腸内細菌が、全身の生体機能のバランスを保ってて、脳とも密接に関係してるってのは今のところわかってること。
んで、この腸内細菌と同じものが女性の膣や子宮などの産道にも定着してるから、出産の時に自然分娩で赤ちゃんの口や鼻、皮膚からお母さんの微生物が継承されて、免疫の基盤ができるって説。
だから帝王切開やとちゃんと免疫が獲得できなくて、発達障害やアレルギーになりやすいって説やねんな。
ハッキリ言って、これを断言してしまうのはかなり浅はかで、早計で、視野の狭いことやねん。
だって、最新の研究では、腸内細菌ってのはただ「腸内に居る細菌」として名付けられただけで、さっき言った微生物は全身に散在してるってわかってる。
しかも、腸内の細菌は、その全てが腸内にとどまってるわけじゃなく、腸から全身に移動するってこともわかってる。
樹状細胞という細胞が、微生物を全身に運ぶこともある。
てことは、反対に、全身の微生物が腸内に達する可能性もあるわけやん。
つまり、赤ちゃんが微生物を継承するタイミングは、産まれてくる時の産道からだけじゃないかもしれんってことや。
それに、免疫には大別して、自然免疫と獲得免疫の2つあって、産まれてからでもいくらでも免疫を育むことはできる。
この話は、衛生説にも繋がってて、あまりに清潔すぎる過保護な環境やと免疫が構築されにくいって研究もあるから、そう単純な結論づけはでけへんねんけど。
可能性として、父母の体の影響が、赤ちゃんに出てしまうのはあるけど、多くの問題は生後にリカバリできると僕は考えてる。
ただ、もしめちゃくちゃ不健康な父母で、抗生物質とか薬を使いまくって、酒や煙草もやりまくって、暴飲暴食しまくって、ストレスがMAXの状態がずっと続くような状態で作られて産まれた赤ちゃんは、感覚的に考えて超健康優良になれるかっていうと、ノンストレスで健康第一の父母から生まれるよりかはある程度リスクはあるやろうなってのは思う。
てか、そんなん誰だってそう思うやろうし、因果関係として漠然と考えても、肯定せざるを得ないのはわかるやん?
でもそうじゃなくって、いろんな要素が複雑に絡んでるから、1つの情報で感情を揺さぶられるよりも、その後のリカバリに目を向けようねって話。
最後に、「100%、体に良くないし、赤ちゃんに悪い影響を与える可能性があるよ」ってものだけ挙げて、終わる。
もうすでに上で書いてあるけど、抗生物質の乱用、ヘヴィスモーカー、植物油脂、乳化剤(加工食品によく入ってる原材料)、ストレス(喉の下がぎゅって苦しくなったり胸がもやもやしてる”イヤな気持ち”のこと)、慢性的な睡眠不足。
要は、母体のどこかに”炎症”が起こるような状態は、赤ちゃんの細胞や遺伝子にも物理的に影響を与える可能性は高いから、本当に腫れ物に触るくらい、妊婦さんの周りはもちろん、妊婦さん自身も、母体の心身を丁寧に丁寧に大切にしてあげるのが一番大切なこと。
完璧に安全、完璧に危険、なんて言い切れるほど、人体や生命の仕組みはそう単純じゃないよ。