1997年に発売されたプレイステーション(以下、PS)のゲームソフト、ファイナルファンタジー7(以下、FF7)。
スーファミの2Dドット絵から、グラフィックが3Dポリゴンになった初の大作RPGってことで、ゲーム業界の一つの革命にもなったであろうタイトル。
リアルタイムで当時プレイしてた幼き自分は、裏FF7とも言われるゼノギアスってゲームと共に、嗜好の形成にかなり影響を受けて、20年経った今でも好きなゲームベスト5に必ず入る。
そのFF7が、2020年4月10日に、満を持してPS4でファイナルファンタジー7リメイクとして、発売された。
話の内容やゲーム自体のレビューは、もう至る所で記事や動画が散見されるから、そっちを見てもらうとして、今回は、FF7の本編やスピンオフや小説などを網羅した僕が、主人公のクラウドというキャラを通して、生きるのに役立つ学びを提供しようかなと。
クラウドは、「神羅」という巨大組織が抱えるエリート兵士部隊「ソルジャー」に憧れる田舎の少年。
ソルジャーになりたくて、田舎から出てくる。
ソルジャーには、3rd、2nd、1stと階級(クラス)があって、1stが最強クラス。
クラス1stのソルジャー1人で、普通の兵士の数十人〜数百人分ってレベルの強さ。
そのソルジャーの中にも「英雄」と呼ばれる存在が居て、それがセフィロスというキャラ。
クラウドは、英雄セフィロスになりたくて、まずはただのザコ兵士として頑張る。
そんな中、人間関係も出来上がっていって、ただ漠然と憧れてた英雄だけじゃなく、仲良しのソルジャーさんも現れる。
仲良しというか、クラウドは自閉的だから、面倒を見てくれたりよく気にかけてくれる人じゃないと仲良くなれないんだけど、そういう面倒見の良いオカンみたいなソルジャーが居る。
それがザックスというキャラ。
仲間思いで、信念があって、常に前を見て、絶対に諦めなくて、夢と誇りと情熱を持ってる。
オカンぽさもあり、仔犬ぽさもあり、ヒーローぽさもある。
クラウドよりザックスの方がよっぽど主人公キャラ。※ザックスが主人公のクライシスコアFF7というスピンオフのゲーム(PSP)もある。
ザックスも、田舎から出てきて努力してクラス1stになったタイプ。
クラウドとは任務で一緒になった時とかに仲良く話したり、信頼関係が出来上がりつつあった。
そんで、紆余曲折あって、クラウドはザックスとは離れてしまうことになるんだけど、そん時に、
「夢と誇り」
をザックスから託される。
で、神羅って組織からも抜けることになったんだけど、クラウドは何を思ったか、自分を元ソルジャーだと思い込んで言い張るようになった。
当然、ザコ兵士からまだソルジャー3rdにもなれてなかったから、何言ってんのって感じなんだけど、紆余曲折の中でちょっとヤク中みたいになっちゃって、思い込みはその後遺症みたいなもんなのね。
ヤク中のおかげで、自称・元ソルジャーと言っても遜色ないくらいの戦闘能力を得られるんだけど。
とにかく、その元ソルジャークラス1stのクラウドとして、FF7本編が始まる。
本編では、同郷の幼なじみであるティファってキャラと再会したり、ザックスのことや神羅を少し知ってるエアリスってキャラが出てきて、ちょっとずつ、
「ん?クラウドが元ソルジャーてほんまか?」
て気付き始めるのね。
でもヤク中の後遺症で、クラウドは自分が完全に元ソルジャーって思ってるから、そこで記憶の混乱が起きて、バグってく。
最終的には、ちゃんと真実を受け入れて、なんとか自分を取り戻すんだけど、かなり時間がかかる。
───とにかく、クラウドという主人公は、何かに憧れて、誰かに憧れて生きて、そのように振る舞い続けて、自分を見失うのよ。
これって、現実でも似てることってままあると思うの。
重要なのは、クラウドの周りのキャラは、クラウドが何者であっても大して気にしてないし、どんなクラウドでも受け入れてくれてるってこと。
何かを目指す時も、何に憧れてる時も、強いフリをしてる時も、メンタルぶち壊れてる時も、いつだってクラウドはクラウドなわけで、他の誰人にもなり得ないし、周囲はクラウドの一連の苦悩を見守って、時に心を痛めるわけです。
FF7の本編から派生したスピンオフとして、FF7アドベントチルドレン(以下、FF7AC)という映像作品があるんだけど、その中でようやく、クラウドは完全に自分を取り戻して、最終的にはどんなソルジャーよりも強い存在になる。
FF7ACで、周りから一番頼りにされて、それに心から応えていけるようになる。義務感やかっこつけじゃなく。
現実の人間も同じやと思うねんな。
今の自分じゃダメだと思って成長意欲を持つことは素晴らしいけど、自分じゃない何かになろうとしても、当然なれないし、なれたとしても長続きしないし、そもそも解離に苦しむ。
社会的に見て、周りから見て、自分から見て、なんらかのハードルを越えた状態の自分にしか合格点を出せない生き方は、不幸になってしまう。
人間って、衰えていくし、体・心・時間を不可逆で消耗していく。不可逆なの、どう頑張ったって。これは真理。
反骨心や体裁や自信のなさから来る、ポテンシャルやモチベーションやハングリー精神を、ずーっとずーっと維持することって不可能やねん。
それでも人生は続いてくし、自分はずーっと死ぬまで自分。
なら、まず「今の自分」にOKを出さないと、ずっとOKにならない。
「今の自分」にOKを出して、愛して、愛されて、その上で「OKな自分」に少しずつ肉付け、箔付けしていくことが、遠回りなようで、人生を充実させる一番の近道、最高効率なの。
「下がること」を想定しない歩みは、必ず「こんなはずじゃなかった」を生んで、こけるから。
考え得る最悪の事態を想定するって、決してネガティブなんかじゃないよ。
「最悪なことが起こらない保証」なんてどこにもないからこそ、心の準備を万全にして歩もうっていう、とても前向きで生産的な姿勢なの。
当然、周りの人にありのままを受け入れてもらえる環境ってのは、ゲームみたいにうまく用意されてないことがほとんどだし、自分で自分を大切にするっていう、個人としても社会としても最重要なことを、事もあろうに邪魔してくる奴がたくさん居る環境に身を置く人も居るかもしれん。
それでも、当たり前のことだけど、自分はマジで自分しか居ないし、それが76億集まったのが人類なわけやから、誰に愛されなくても、まずは自分が今の自分を労ったり愛でたり丁重に扱う姿勢が大切なの。
ひいては、その姿勢こそ、一番の社会貢献であり人類貢献で、それこそ世界を救う行為なんやから。
FF7の中でも、悪い奴に利用されたり騙されて、歪んで、狂って、世界滅ぼしちゃえってなっちゃう奴が居る。
自分の存在自体、ただ存在してることだけを自分で容認できないから、何かをしようとして、何かを傷付けようとして、何かになろうとして、何かであろうとする。
周りの人間によって、環境によって、自尊心が奪われ尽くした結果、そうなってしまうわけだけど、その上にさらに自分でも自分を認められず否定し続けるなんて、悲惨すぎるやん。
なので、あなたはクラウドみたいに遠回りしてしまう前に、今すぐ、この瞬間から、自愛してくれ。
「自分は今のままでもいいし、どう生きてもいいし、何を目指してもいいし、全部しなくてもいい」っていう、人は生きる上で完全な自由であることが、世の不幸や悪意や敵意を無くす最善の方法ってことを、知ってくれ。
許せない自分が多いまま生きると、セフィロスさんが、
「嘆いても遅い」
っていつか煽ってくるよ。
以上、FF7は最高というお話でした。(?)
またでbye。
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