僕のステロイドに関する考え方とかはこれとか読んでもらって
→ステロイド離脱症状が出る時期
まず、ステロイドが効きにくくなってきてやめるタイプの人においては、もはややめる前から炎症がひどくなって浸出液も出始めてるとは思うんだけど、改めて、浸出液とはなんぞやって話からしようと思う。
浸出液の正体
浸出液ってのは、いろいろなたんぱく質や菌や酵素や水分が混ざった液体なんだけど、菌っていうと感染?って思考になりがちで、実はそうじゃないんだよって話。
菌ってのは悪玉菌とか善玉菌ってよく言うけど、実は悪玉や善玉ってのの多くは種類の問題じゃなくて、数とかバランスによって良くも悪くも変わってくるねん。
つまり、人間の皮膚にも内臓にも、菌ってのは膨大な種類と数が常に存在していて、それらを常在菌とか共生菌って言うのね。
んで例えば皮膚においては、黄色ブドウ球菌や表在性ブドウ球菌、マラセチア・グロボーサっていう真菌や、あとは潜在性のヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルスとかってのが居る。
菌においては石鹸使って洗ったり洗剤使ったりすると、菌の細胞壁(たんぱく質)を破壊したり、皮脂を根こそぎ洗い流してしまったりして、その常在菌を全滅させてしまったりする。
するとどうなるかと言うと、皮脂ってのは元々は人体の機能+菌の働きによって作られてたりするから、その働きがなくなって乾燥肌になったりバリア機能を失ったりして、炎症を起こしやすくなったり、それこそ菌やウイルスに感染しやすくなったりするんよ。
内臓においても、乳化剤っていう食品添加物や抗生物質の服用によって同じことが起こって、症状とか予後に関してはこちらの方が重篤なんだけど、今回は皮膚のことに限定するから割愛するね。
話を戻して、浸出液ってのは、なんか感染を起こしてたり血液が漏れ出てるような感じがして、イメージ的には「うわぁ、大変!」ってなって浸出液を止めなきゃって思うかもしれないけど、実はそうじゃなくて。
シンプルに滲出液を表現すると、細胞培養液。
傷ついた皮膚の組織を修復するためには細胞分裂をしなきゃいけなくて、そのための栄養素を含んでいたり、細胞を乾かさないようにする機能があるのだ。
そして、なぜ乾かさないようにするかと言うと、なんと分裂するための元の細胞ってのは乾燥してるとどんどん死んでしまう。
だから、その分裂するための元の細胞が死なないように保湿とかが重要になってくるねんけど、浸出液ってのは自分の身体から出てくる一番安全な保湿液であり、細胞培養液、というわけなのです。
浸出液が出すぎると良くないケース
いくら浸出液が細胞培養液だからといって、もう、水たまりができるくらいダバダバ出てたらそれはそれで問題だったりする。
どういうことかと言うと、とりあえず服が汚れるっていうのと、普通に日常生活する上でも色々と不便やんな。
それだけじゃなくて、もっと重要なのは、保湿して症状がひどくなってしまう人にとっては死活問題なんですよ。
なんで保湿してひどくなってしまう人が居るかと言うと、答えは簡単で、ふやけた肌は傷付きやすいから。(乾いた氷は滑らない的な)
健康な人でも、お風呂に長~~く入ったりすると、指の先がしわしわになったりして、皮膚がもろくなったように感じるやん?
ましてや、皮膚バリア機能がなくなって炎症起こしまくってる脱ステ真っ最中の人が皮膚を湿らせてふやかそうもんなら、ちょっと手でこすったりしただけで、表皮がぬるっと剥奪(ズレて剥がれる)してしまったりするんですよ。(想像するだけでグロいやろ(笑))
脱ステで有名な先生の著書で保湿しないように言ってるのはそういう理由からでもある。
浸出液が刺激になるケース
ふやけるから、ずっと湿った状態になるくらいの浸出液は何かしら対策しようねってこともあるんだけど、僕がいろんな論文を読んだり自分で実験したりしてわかったことをここで1つ。
食物アレルギーに関係することなんだけど、他の記事でも再三書いてる通り、アレルギー検査で出てくる数値と実際の症状の強さってのは、実は因果関係がなくて、例えば僕は大豆アレルギーのクラスはゼロで、検査項目の中でも一番数値が低いんだけど、醤油を1滴、唇につけるだけでみるみるうちにただれてきて、唇の皮膚が剥がれて粘膜がぬるっと見えちゃうっていう、えげつないことになる。
他にも、サバアレルギーの数値がほとんどない人でも、いきなりサバで痙攣したり炎症起こしたり呼吸困難になったりして救急車で運ばれるケースがけっこうあるとのこと。これは何かと言うと、人体にもサバにも含まれるヒスタミンの中毒。
(詳しくは→ステロイド離脱症状が出る時期)
これだけでも分かる通り、食物アレルギー検査ってのはあまりアテにならなくて、実際に食べてどうかを確認するしかない。
厳密にはもう僕は調べ尽くして判明してるんだけど、とにかく、アレルギーじゃないのに食べたものによって炎症が起きてるケースの場合、皮膚や粘膜から溢れてくる浸出液にもそれらの成分が含まれてないとは言い切れず、その成分が皮膚でも感作を起こしてさらなる炎症を起こす可能性も否めない。
そういう場合も、浸出液が溢れっぱなしにならないように、色々と対策する必要があるねん。
具体的な対策の方法
飲む量を減らす
ここからは具体的な対策を書いていこうと思う。
まずは、浸出「液」というくらいだからそのほとんどは水分で、水分が出まくるのを抑えようと思ったら口から摂取する水分を減らそうってのが第一選択になるね。
前述の先生も、夏場は1000ml(牛乳パック1本分)、冬場は600ml(コップ3杯)に抑えるって著書でも仰ってて、僕的にはけっこうシビアな数字やなぁと感じる。
だって、口から摂取するとは書いたものの、それは飲料水だけじゃなくて、食事のスープとか汁物もある程度カウントに含まれてるから。
食事でそういうものを多く摂取した場合は、普段に飲む水分量を当然減らさなければいけなくて、改めてなかなか厳しいなぁと。
かくいう僕も、もちろんそう言われて実践してた頃があるけど、慣れるまではけっこう口が渇くし、かゆみ止めの抗ヒスタミン剤とかを服用してると副作用の口渇感も相まってかなりドライマウスになったり。
それに、人間って、そこまで体が水分不足に陥ってなくても、口が乾いてると何か飲み物欲しくなったりするからさ。
そういう時は氷を口に含んどいて。(対策もドライかよ)
それか、ちびちびと一気飲みする。(わかりにくいけどなんとなくでわかって)
どう言えばいいのか……コップの底に残った水滴、くらいのめちゃくちゃ少ない量を、1回に飲み込む量にして、ずっと飲み続ける、みたいな。
そうすると、飲み込む回数は多いけど飲んでる量は少なくなるやん?
自分の脳をだます感じね。
とは言っても、本当に水分制限が必要なひどい期間てのは、食べ物とかが原因じゃなければ3ヶ月もないから、ちょっとの辛抱だ。
部屋の温度と湿度を保つ
冬場とかで空気が乾燥する時期は、この口渇感に拍車がかかってしまう事態になるわけだけど、実はさっきリンク貼った記事にも書いてた「湿度と温度を徹底的に管理する」っていう対策がここで活きてくる。
湿度50%前後、室温は25℃前後を徹底的に維持すると、口渇感も緩和できるし、水分制限も多少なりともラクになるから、ぜひとも。
ちなみに僕が使ってた加湿器と空気清浄機
出てしまったものは仕方がないから吸い込め
そうは言っても、全く浸出液をゼロにすることは人間の体の構造的にほぼ不可能だから、次は出てしまった浸出液に対するアプローチを書いていくよ。
まず、脱ステ肯定派の先生が言うのはガーゼを貼り付けとくって方法なんだけど、んなもん一晩でバスタオルびちゃびちゃになるくらい浸出液が出てたら、ガーゼなんて焼け石に水やん?
だから僕は考えたわけですよ。大量の水分を処理する方法ってなんだろうって。
んで思い付いたのが、生理用品や介護用のオムツね。
ここまで読んで、(え、そんなん山崎邦正さんのダンシングベイビーになるやん……)って思った人(古)、早まらないで。安心して。
本来の使い方でも別にいいけど、浸出液ってのは神出鬼没なんですよ。(ちょっとうまく言えた)
だから、大腿部や鼠径部や陰部だけ狙ってても仕方ないわけで、全身どこでも対応できる方法じゃないとあかんやん?
そこで生理用品とオムツってのを使い分けて、生理用品は狭い範囲、オムツは広範囲の湿疹やびらん面に対して、吸水パッドの部分を貼り付けたり巻きつけたりして使うねん。
そしたらさ、ほんと、人類の叡智の結晶やと感動したのよ。
タオルとかでは全然ラチが明かないくらいダバダバ出てた浸出液を、生理用品やオムツは、一晩完璧に吸いきってくれるではありませんか!!!
「多い日も安心♡」ってセリフを、まさか男の僕が心から安堵してつぶやく日が長い人生の中で訪れるとは夢にも思ってなかったけど、それくらいすごかったわけですよ。
冗談はさておき、具体的には、浸出液が多い箇所が、太ももやふくらはぎとか首とかだった場合はオムツを、手足の先とか耳とか細かいところは生理用品を使うと良いよ。
ちなみに、粘着テープがベストポジションに来ない時があって、痒いところに手が届かない(湿疹的な意味ではないよ)時は、布製のガムテープってのがあって、好きな幅や長さに手で簡単にちぎれるテープなんだけど、それを使うと良いよ。
こういうの
お金持ちの人は、そりゃ白い半透明の医療用(サージカル)テープを使えばいいけど、薬局行ったらそのコスパの悪さに目を疑うんですよ。
なんせ浸出液なんて、脱ステ最初期は延々と出続けてるもので、ひどい時は1日2回は吸水アイテムを交換する時もあるし、体の一部分だけならいいけど、めっちゃひどい人とかやとほぼ全身に対策が必要な人も居るわけで、そう考えると医療用テープの消費量がもう全然現実的じゃなくなる。
下手したら、1回の処置で1個使い切っちゃうくらい微々たる量しか巻きがないんじゃないかなぁ。
それに比べて、僕がオススメするホームセンターにも売ってる布製のガムテープは、幅も長さも自由にちぎれて巻きもめっちゃ長くて、しかも安いっていう最強コスパの有能アイテムなんですよ。
なのでお金持ちじゃなかったらそれ使ってみると良いよ。
寝る時の浸出液対策
ここまで読んで対策したら、もうあんまり寝る時のことは大して考えなくていいと思うけど、神経質な人はやっぱり布団とかに浸出液が染み込んだり、湿疹のとこが少しでも当たると気になってストレスで睡眠の質が下がってしまうだろうからサラっと書いとく。
綿100%のバスタオルを、洗剤や柔軟剤とかは何も使わずに水洗いして、それを敷布団の上に敷いて寝る。
そしてなるべく毎日交換する。
室温と湿度を一定に管理して、吸水アイテムで処置していれば、それで事を凌げるはずですよん。
掛け布団や毛布は使わずに、タオルケットとか軽いものの方が、蒸れたり過度な保湿にならずに済むよ。
猛者は飲み放題・出し放題!?
最後はもうほとんどの人は関係のない話なんだけど、極稀にめちゃくちゃメンタルがタフな人が居て、そういう人はもう水分制限も対策もしなくて大丈夫よ。
飲みたいだけ水分飲んで、浸出液もダバダバ出るけど、「で?だから?」みたいなメンタル最強マンは、この記事をここまで読んだことがそもそも時間のムダやったし、謝るわほんま、ごめんな。
キミならたった一人でもステロイド離脱という苦行に圧勝できると思うわ。
心から尊敬するし、脱帽。
僕はそこまで無敵マンになれなかったわ……(汗)
本日はここまで。
次回の脱ステ関連は、衣服や着替えについての対策を書こうと思う。
またでbye。
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