
何ヶ月か前に、ついに手にしたSteinberg USBオーディオインターフェイス UR-RT2。
でも、万人にオススメできるものではないなぁ~と感じた。
自身、ずっとSteinbergのUR824を愛用していて、UR824
を購入する時は色んなメーカーの色んな機種の性能や特徴をリサーチしてリストアップして資料を作ってまとめて、そっから比較して決めた。
Focuslite、RME、Apogee、MOTU、DBX、BEHRINGER、ROLAND、Presonus、Lexiconなどなど、主要メーカーの主要I/Fを吟味しまくってた。
だけど今回のUR-RT2はもう即決で、ずーっと1点狙いだった。
基本的なスペックや使い方は公式サイトでチェックしてもらうとして、個人的な推し部分は、やっぱり小型、ループバック、CC(クラスコンオプライアント)モード=iPad対応、そしてRupert Neve Designs トランスフォーマー、このオールインワンが最&高。
まず、自分が何か機材を欲しいと思う時は、先に目的があって、その目的に合致する商品を探す…というプロセスを踏む。そりゃそうやんな、いらない機能は煩わしいし、値段も高くなるし、デメリットしかないもん。
今回ほしかったI/Fの条件は、
- 持ち運びが出来る
- DSP(デジタルシグナルプロセッサ)のエフェクトが使える
- iPadのCubasisで使える
- ループバック対応
- 高音質
…という、なんとも雲を掴むような、ワガママボディも真っ青なニーズだったわけです。
UR-RTシリーズが出るまでは、UR12も視野に入ってたんだけど、これはDSPがついてないのが致命的で、歌やアコギ録音の時にモニターにリバーブかけられないのは論外だった。
ただ、コンピュータ接続した時はバスパワー駆動(USB端子からの電力供給だけで動作する)ってのはかなりアドバンテージ。確かループバックもできたはずだから、正味、RNDトランスフォーマーとDSPが要らなければ、迷わずUR12一択ベストバイだと思うよ。

実際にiPad miniとUR-RT2をLightning USB 3カメラアダプタで繋いで、Cubasis 2を使用してるところ。
歌、アコギの録音、ラジオなどの録音、簡単な曲のスケッチなどは全部このシステムでやっちゃう。
素晴らしい機材と技術に圧倒的感謝です。
UR-RTシリーズは高い
正味、UR-RT2とUR12との大きな違いは、
- DSP
- RNDトランスフォーマー
- ループバック
これら3点程度。
なのに値段は4倍近く違う。
この価値を自分は理解できるか少し不安だった。
だけど、イケベさんの以下の比較動画を拝聴して、とてもありがたいことに不安は完全に払拭された。
Steinbergにこだわる理由
自身がSteinbergにこだわる理由。
- Cubaseユーザーだから
- iOSで使える優秀なDAWソフトがCubasisくらいしかない
- 自社開発USBドライバで安定性が抜群
- サポート体制が盤石
Windowsで使う時のUSBドライバが自社開発で安定性が抜群。
業務用途でUR824をADATで3台繋げて使用してる方のブログで、
「24時間電源ONで数年使っても不具合が出たことは一度もない」
ってお話を拝見して、もう、これしかないでしょと。
魅力的で便利な機能がたくさんついたオーディオインターフェイスはたくさんあるけど、不具合起こしたらそれどころじゃないし、万が一何かあった時もサポート体制が盤石って、もう最高やん。てかそれが大前提やねんけどさ。
UR-RT2を買わない方がいい人
下記に当てはまる人は、UR-RT2をオススメしない。
- 上の動画で、RNDトランスフォーマーON/OFF時の音の違いがわからない
- DSP機能が要らない
- ループバック機能が要らない
- バスパワー駆動しか勝たん
RNDトランスフォーマーのON/OFFの違いは僕にとっては衝撃的だったけど、たぶん「全然違いがわからない????」って方も多いかもしれん。
僕も「比較」という事前情報がなく、パッとビフォーアフターの音源だけを出されたら判断できるかはわからん。
RNDトランスフォーマーをONにした時の音は、エキサイターとコンプを薄くかけたような、粒が揃ってるけどどこの帯域も損なわずに抜けが良くなってる……って感じ。
他のエフェクターなどを噛ますことなく、トランスフォーマーというだけでここまで違うのは魔法みたいだなぁと。
聴覚上は明確な違いを言語化できない人が多いとしても、たぶん誰でも「感じ方」が違ってくるんじゃないかなと思う。
音楽って元々は言語化できない感情の伝達手段だったりするから、RNDトランスフォーマーON/OFFの違いを言語化できなくても、このインターフェイスの醸し出す「繊細だけど明確な違い」は、最終的な音源になった時にリスナーが感じる音の違いとしてハッキリ出てくる。
あまりそこまでこだわりがない人は、UR12を選ぶほうがいい。
UR-RT2 を買う前に注意したいこと
UR-RT2の音が繊細すぎて、録音する時の環境が完璧じゃないとその真価を発揮できない。
普通の民家の自室で反響音対策をせず録音……これはもってのほか。
音楽スタジオでも、田舎の方だと防音対策はしてるけど反響音対策はしてなくて、固い壁でドラムセットが置いてある中で歌やアコギを録音する……っなんてとこもあるし、論外。
なるべく反響がない(デッドな)部屋が必須。
デッドな環境が用意できない人は、高い金を払って真価を発揮できないよりかは、UR12をガンガン使い倒した方がコスパは良いなと思う。
デッドな環境が用意できるなら、 UR-RTシリーズはUR12の4倍近い値段を出してもなお購入する価値がある、良質でプロユースなオーディオインターフェイス。